経済学101は主に皆様の寄付によって賄われています。温かい支援をお待ちしています

オリヴィエ・ブランチャード 「1.9兆ドル救済プランへの懸念を弁護する為に」(2021年2月18日)

(訳者:バイデン政権の1.9兆ドルにのぼるコロナ救済計画について、経済学者かつクリントン政権時代の財務長官でもあったサマーズがその計画にたいする懸念を表明するコラムを書いた事から、それを支持するブランチャード、批判するクルーグマンといったように民主党支持のリベラル派内でこの1.9兆ドルの計画についての論争が起こっています。これはブランチャードによるなぜ懸念するのかについての記事です。ちなみに訳したのは別にブランチャードを支持しているからではなく、論争当事者の声を紹介したかったからです。)

In defense of Concerns over the $1.9 Trillion relief plan

弱者保護と景気刺激策で「大胆に行く」必要性についてジャネット・イエレン財務長官と同意するものの、バイデン政権の1.9兆ドルのコロナウイルス救済計画の大きさについては懸念をもつ経済学者(私を含む)は、景気の過熱とインフレを過度に懸念しているという批判をうけており、健全な議論が噴出している。このブログ記事ではこの議論における3つの主要な問題を取り上げ、そしてなぜ私が懸念しているのかを説明していく:まず第一は、産出量ギャップの規模について、つまり経済の実際の生産と潜在的な生産のギャップについて;第二は、乗数の規模について、つまり景気刺激策の想定されうる効果について;そして第三が、景気加熱した経済がどれほどのインフレを生み出すのかについてである。

[Read more…]

Margalit & Shayo 「金融市場は社会的価値観と政治的見解をどう変化させるのか」2021年1月31日

[追記:opitical_frogさんのからのアドバイスを受けて一部訳を変更しました。あと、タイトルもすこし変更。]

Yotam Margalit, Moses Shayo

2021年1月31日 原文

概要:

市場が参加者の価値観や政治的選好に与える影響は長い間論争の的となってきた。このコラムでは、金融市場への参加の効果を評価するために大規模なフィールド実験を用いた。英国全土のサンプルからなる参加者へ、6週間の間に株式や非金融資産に投資できるある程度の金額が無作為に与えられた。その結果は株式への投資が、個人の責任や成果、経済的成功における運の役割などの問題を含めた社会や経済に対する右傾化した見方につながることを示している。また市場へ友好的な政策や規制緩和への支持も高まっていた。

[Read more…]

ノア・スミス「政府負債の危険なんて、誰もわかっちゃいない」(2021年1月22日)

(ツイッター上でのアドバイスを受けて一部訳を変更しました)

たぶん、経済学者はこの面白そうな問題を考えるべきなんだろう。

Noah Smith
No one knows how much the government can borrow

マクロ経済学で最も重要な疑問の1つ、それは変な話だけど経済学者が研究しない事を選んでいる疑問だ。その疑問とは、「政府はどれだけ安全に借りることができるか」。

[Read more…]

エグザビア・ヴァイヴス 「スーパースター企業の登場:マクロ経済学において寡占を真剣に考える」(2021年1月20日)

(訳者注:コメントでの指摘を受けて、タイポを修正しました。)

Xavier Vives 2021年1月20日

Rise of the Superstar firms: Taking oligopoly seriously in macroeconomics

ビッグテック、そしてその他の「スーパースター企業」の支配によって、市場支配力が研究の分野においてもだけでなく、政治家達の問題としても戻ってきた。しかし、寡占市場はマクロ経済学や貿易モデルに導入されてはいるものの、それは主に産業分野の大きな「連続体」の中において、一企業が自身の分野においては市場支配力を持つが経済全体には影響を及ぼさないという設定によってである。このコラムは寡占がマクロ経済学のツールボックスに完全に組み込まれて然るべき時が来ていることを主張する。

[Read more…]

脱税と不平等

Annette Alstadsæter、Norwegian University of Life Sciences経済学ビジネス学部教授

Niels Johannesen、コペンハーゲン大学経済学教授

Gabriel Zucman、カリフォルニア大学バークレー校助教授

2018年5月9日

VoxEU

概要:税金の記録は社会の中の富と所得の集中を測る為によく利用される。しかしながら、もし金持ちが貧乏人よりも税金逃れをするならば、税の記録は不平等を過小評価することになる。このコラムはスカンジナビアを例として、脱税が富とともにどう変化するかを明らかにする:スカンジナビアのトップ0.01%の金持ち家計は資産や投資所得を国外に隠すことで払うべき税金の約25%を脱税している。そういった非常な金持ちがこういった事を出来るのは、彼らが資産秘匿サービスへのアクセスをもっているという単純な理由による。トップ層の脱税を減らすには、そういったサービスの供給を減少させる事が肝心である。

[Read more…]

グローバライゼーション、政府の人気、そして大いなるスキル・デバイド

Cevat Giray Aksoy、欧州復興開発銀行プリンシパルエコノミスト、IZA & LSE リサーチフェロー

Sergei Guriev、欧州復興開発銀行チーフエコノミスト、パリ政治学院経済学教授(休暇中)CEPRリサーチフェロー

Daniel Treisman、UCLA政治学教授

VoxEU、2018年5月8日

概要:グローバライゼーションに対する態度が、伝統的な左-右の分裂と並んで、あるいはそれにも関わらず、政治的連帯の新しい次元として登場してきている。このコラムでは過去10年に渡っての118カ国45万人近くをカバーするデータを使い、スキルの高い人々はスキル集約財の輸出が増えると政府をより支持するが、スキル集約財の輸入が増えると支持が低下する事、そして更に一般的に、だが一般通念とは違って、低スキル労働者は輸入に反対したり、市場保護に失敗したリーダーを批判したりはしない事を示す。

[Read more…]

貿易利益を定量化する

VoxEU、2018年4月29日

Giammario Impullitti、ノッティンガム大学准教授

Omar Licandro、ノッティンガム大学マクロ経済学教授

概要:グローバライゼーションに不満を持つ人達は、職を減らし賃金を下げていると貿易を非難し、一方そのサポーター達は貿易自由化が全ての人達に潜在的には恩恵をもたらせるだけの総利益を生み出すと反論する。しかし、貿易の利益を測るのは経済学者にとって長きに渡っての挑戦である。このコラムは企業のイノベーションの反応を考慮すると貿易の利益は静的な定量化モデルにおいて得られるから倍加する事を論じる。

[Read more…]

振り返り見た90年代貿易と賃金論争

VoxEu, 2018年4月15日

Adrian Wood、オックスフォード大学国際開発教授

概要: 20年前、経済学徒は、途上国との貿易は先進国の非技能労働者への深刻な害とはなっていないと結論づけた。このコラムは、このコンセンサスを生み出した論争が早すぎる終わりを迎えたのだと主張する。現在ですら、先進国の低教育層の経済的不運へのグローバリゼーションの影響の度合いについては、どんなはっきりした結論であれ出せる証拠はない。そして、もし経済学者の中でのコンセンサスがより弱かったならば、グローバリゼーションの社会的コストを下げる為により多くのことがより早く行われていたかもしれないのだ。

[Read more…]

世界の貿易とドル

Emine Boz、IMFリサーチ部門シニア経済学者

Gita Gopinath、ハーバード大学国際学部・経済学部教授

Mikkel Plagborg-Moller、プリンストン大学経済学部助教授

2018年2月11日  VoxEU原文

国際マクロ経済学では通常、貿易パートナー間の為替レートこそが貿易価格、数量、そして交易条件についてもっとも重要であると仮定されている。このコラムでは別の考え、つまりアメリカドルに対しての為替レートこそが最も重要であるというものを支持する証拠を提示する。これは、合衆国が貿易に関わっていない場合ですら請求はドルで行われるのが一般的である為だ。この発見には金融と為替レートについての政策の運営に関する重要な含意がある。

[Read more…]

創造性と自由

(訳者:はてブでのnagaichiさんからの指摘を受けて、Florenceを「フローレンス」から「フィレンツェ」に変更しました。ありがとうございます。)

2018年1月6日、 VoxEU原文

Michel Serafinelli、トロント大学経済学准教授

Guido Tabellini、ボッコーニ大学経済学教授

概要:イノベーションはしばしば特定の地域、いわゆる「創造性クラスター」に集中している。このコラムでは有名人の出生についての新しいデータを使って、11世紀と19世紀の間のヨーロッパの都市における創造性のダイナミクスについて探求する。その結果は、創造性が経済的繁栄に先立つ事、そして個人的および経済的自由を守る都市の制度が多くの領域でのラディカルなイノベーションにつながっていく事を示している。

[Read more…]