ジョークが検索されがちなのは、陽気でいい気分の時らしい。
・・・(略)・・・一週間のうちでジョークが検索されるのが一番少ないのはいつかというと、月曜日。Googleでのジョークの検索数は月曜日以降に徐々に増えていって、金曜日から日曜日にかけてピークに達する。月曜日にジョークの検索数が一番少ないのはどうしてかというと、仕事や学校で忙し過ぎてググってる暇なんてないから・・・ってわけじゃない。月曜日には、「憂鬱(ゆううつ)」、「不安」、「医者」とかいう語句の検索数が一週間のうちで一番多いのだ。
次に、天候によってジョークの検索数に違いがあるかどうかも調べてみた。ニューヨーク市における過去5年の検索データすべてが対象だ。雨が降ると、ジョークも洗い流される。ジョークの検索数が減るのだ。気温が氷点下を下回ったり、霧が出たりすると、ジョークの検索数はさらに減る――気温が氷点下を下回ると、ジョークの検索数は雨の日よりも6%減。霧が出ると、ジョークの検索数は雨の日よりも3%減――。
最後に、トラウマになるような衝撃的な出来事がジョークの検索数にどんな影響を及ぼすかも調べてみた。ボストンマラソン爆弾テロ事件を例にとると、事件の直後にジョークの検索数が普段と比べて20%近く減った。その状態は、事件が起きてから数日経っても続いた。逃走中の犯人を捕まえるために捜査当局がボストン周辺地域を封鎖した「金曜日」でさえそうだった。ジョークの検索数が普段通りに戻ったのは、事件が発生してから2週間後だった。
事件の後には、「音楽」とか「ショッピング」とかいうエンタメ(娯楽)絡みの語句の検索数も減っている。しかしながら、ジョークの検索数の落ち込みほどじゃない。エンタメ絡みの語句の中には、犯人が捜索されている最中に普段よりも検索数が増えたものもある。例えば、「ゲーム」とか。
セス・スティーヴンズ=ダヴィドウィッツ(Seth Stephens-Davidowitz) [1] 訳注;『誰もが嘘をついている:ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性』(光文社、2018年)の著者。がニューヨーク・タイムズ紙に寄稿している記事より。概(おおむ)ね納得のいく内容だが――ボストンマラソン爆弾テロ事件絡みのデータなんかは特にそう――、「ジョークの検索数」と「いい気分」とのつながりっていうのはどのくらい強いんだろうね? 顔見知りに聞くんじゃなくて、誰が思い付いたのかわからないユーモアをネットで探さなくちゃならない時っていうのはどんな時だろうって想像すると、かなり悲しい気分の時のように思えるのだ。少なくとも私に関する限りはね。
〔原文:“Google data on when people search for jokes”(Marginal Revolution, May 17, 2016)〕
References
↑1 | 訳注;『誰もが嘘をついている:ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性』(光文社、2018年)の著者。 |
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