タイラー・コーエン 「道案内してもらうならどっち?」(2008年11月21日)

一人称視点で行き先を説明してもらう――「主観的な地べた視点」での道案内――か、空の上から見下ろしているかのようにして方位(北、南、東、西)で行き先を説明してもらう――「客観的な俯瞰(ふかん)視点」での道案内――か。あなたならどっちで説明してもらいたい?
画像の出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/5083513

・・・(略)・・・道を案内する方法には二通りある。いわゆる「主観的な地べた視点」(route perspective)で行き先を伝えるのが一つ目だ。一人称視点で空間を把握して、曲がり角だったり何らかの目印だったりに言及するのがその特徴だ。いわゆる「客観的な俯瞰(ふかん)視点」(survey perspective)で行き先を伝えるのが二つ目で、空の上から見下ろして指示を出す場合を想像してもらえばいい。方位(北、南、東、西)で向かう先を伝えたり、距離を正確に伝えたりするのがその特徴だ。

どっちがいいんだろうね?

フント率いる研究チームは、ベニヤ板でミニチュアの町を作って、道案内を聞いた大学生がその町の中にある目的地に辿り着けるかどうかを調査した。すると、興味深いアノマリー(不思議な現象)が起きた。学生たちは、「主観的な地べた視点」で説明される方がわかりやすいと答えたのだが、「客観的な俯瞰視点」で方位(北、南、東、西)を指示して向かう先を説明される方がミニ車を操って目的地に早く辿り着けたし、目的地に無事辿り着ける可能性も高かったのだ。

さらに詳しくはこちら。個人的には「客観的な俯瞰視点」で説明してもらえたらありがたい。たぶん言語も絡んでくる問題なんだろうが、ヨーロッパ人に道を案内してもらうと大抵は理解に困ってしまう。「上」(“up”)とか「下」(“down”)とか「あっち」(“over”)とか「向こう」 (“beyond”)とかっていう言い回しが頻繁に出てくるのだ。(ドイツ語で)「ホホファーレン」(上に行け)って伝えにゃならん必要ってある? どうぞ「東西南北」で説明してくださいまし。読者の皆さんはどっちで説明してもらいたい? あるいは、何か別の案内方法があったりする?


〔原文:“How to give directions”(Marginal Revolution, November 21, 2008)〕

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