タイラー・コーエン 「『アメリカ連邦準備制度の内幕』」(2009年3月11日)

●Tyler Cowen, “Inside the Fed”(Marginal Revolution, March 11, 2009)


Inside the Fed』(邦訳『アメリカ連邦準備制度の内幕』)を楽しく読んだ。著者は、ステファン・アキシルロッド(Stephen Axilrod)。副題は、「アメリカの金融政策とその運営;マーチン(議長)からグリーンスパン(議長)を経てバーナンキ(議長)まで」。

個人的にお気に入りの箇所を引用しておこう [1] 訳注;以下は拙訳

金融政策の概要について説明をするためにホワイトハウスに赴(おもむ)くことになったわけだが、そろそろお暇(いとま)しようとしているところでその日一番の印象的な出来事が起こった。(ニクソン大統領の側近を務めていた)ジョン・アーリックマン(John Ehrlichman)が予告なしに突然我々の前に登場したのである。我々(FRBのスタッフ)に対して、彼なりにどうしても言っておきたいことがあったらしい。

アーリックマンは、以下のような言葉を口にした。「あなた方が朝起きて鏡の前でヒゲのお手入れをなさる時に、一心に頭をひねって考えていただきたいことがあります。『マネーサプライを増やすために、今日のうちに自分に何ができるだろうか?』と自問していただきたいのです」。そうだったのだ。我々がホワイトハウスに呼ばれたのは、金融政策の概要について説明するためではなく、アーリックマンの要望を聞くためだったのだ。

ちなみに、本書(原書)の167ページでは、一部の一流経済学者と強迫性障害の患者との(一見すると似た者同士の)違いについて興味深い(ただし、いささか不正確な)議論が展開されている。

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1 訳注;以下は拙訳
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