ドル紙幣について誰もが知っておくべき基本的な事実がいくつかある。
- 市中に流通しているドル紙幣の大半は、100ドル紙幣。
- 市中に流通するドル紙幣のうちで100ドル紙幣が占める割合は、上昇傾向にある。
- 大半のドル紙幣――とりわけ、100ドル紙幣――は、海外で流通している。
ジョー・クラヴァン・マッギンティー(Jo Craven McGinty)がウォール・ストリート・ジャーナル紙の記事(2018年7月6日付)で報じているところによると、そうらしいのだ。記事の一部を引用しておこう。
連銀(Fed)が公表している情報によると、昨年(2017年)の終わりの時点で市中に流通していたドル紙幣の総額は1兆6000億ドルで、そのうちの1兆3000億ドル――全体の80%――が100ドル紙幣だったという [1] … Continue reading。1997年の終わりの時点ではどうだったかというと、市中に流通していたドル紙幣の総額は4580億ドルで、そのうちの2910億ドル――全体の64%――が100ドル紙幣だったという。
少なくとも過去20年の間に、市中に流通するドル紙幣の総額は、年率に換算すると6%の割合で増えている。物価変動の影響を取り除いた後の実質値で見ても、市中に流通するドル紙幣の量は1997年からこれまでの間に倍以上になっていて、市中に流通する100ドル紙幣の量は3倍近くになっている。
・・・(中略)・・・
海外に持ち出されるドルの大半は、100ドル紙幣である。
・・・(中略)・・・
2017年の終わりの時点で市中に流通していたドル紙幣の総額は、1兆6000億ドル。そのうちの3分の2――1兆700億ドル――が海外で保有されている。預金を取り扱う国内の金融機関によって保有されているドル紙幣の総額は、およそ800億ドル。国内の個人および企業によって保有されているドル紙幣の総額は、わずか4530億ドルでしかないのだ。
関連するエントリーの一覧をこちらのページにまとめているので、あわせて参照されたい。
〔原文:“Jo Craven McGinty: Basic Facts about US Paper Currency”(Confessions of a Supply-Side Liberal, October 18, 2018)〕
References
↑1 | 訳注;ちなみに、2022年の終わりの時点では、市中に流通していたドル紙幣の総額はおよそ2兆2600億ドルで、そのうちのおよそ1兆8500億ドル――やはり全体の80%――が100ドル紙幣という結果になっている。 |
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