ラジブ・カーン「民主党は過激なピューリタン的ポリコレによってマイノリティから見放されつつある:インナー・サークル化する民主党」(2022年7月14日)

大学教育を受けていないマイノリティは民主党からの離反を続けている。
新たなるピューリタンの台頭の

Only The Inner Party
Posted by Razib Khan On JULY 14, 2022

ノア・ロスマン著『新たなるピューリタンの台頭』

1829年、アンドリュー・ジャクソンが第7代大統領選に就任してから約20年間、アメリカを支配していたのは南部だった。たしかにマーティン・ヴァン・ビューレンのような北部人の大統領もいたかもしれない。しかし、そうした人も南部連合のリーダーだった。1850年代になって、北部が工業的に発展し、南部の人口を上回ったため、この南部連合は不安定なものなっていく。それでも、中部太平洋地域が北部に参加し、大ニューイングランドと一体となって投票するようになり、さらにフランクリン・D・ルーズベルトが古い民主党を破壊するまでの数十年間という少なからずの時間を経ないと、南部の支持基盤が共和党に移る再編成は起こり得なかった。
〔訳注:「大ニューイングランド」とは、メイン州、ニューハンプシャー州、バーモント州、マサチューセッツ州、ロードアイランド州、コネチカット州からなるアメリカ独立に起源を持つ古くからある州。〕

1856年の大統領選では、〔当時の北部政党である〕共和党の候補者が、大イングランド以外ほぼ支持されていないことから、この時が、最後の古い南部連合の勝利であることがわかる。この後、反奴隷運動の道徳的熱狂が北部全土を席巻し、数的に劣る南部が〔全米を支配する〕理不尽さへの憤りが重なり、最終的に共和党が全北部〔大ニューイングランド&中部太平洋地域〕を支配することになった。

今日、逆転現象を少しだが観察できるように思える。The Liberal Patriot誌に「労働者階級やヒスパニックは、民主党による妊娠中絶・銃規制・1月6日の公聴会に関心を失いつつある」という記事が掲載されている。この記事では、民主党は、大学教育を受けた白人、つまり知識人からの関心を買うことへの傾倒を強めていると指摘されている。2010年頃だと、「進歩的な白人とマイノリティによるマクガバン連合が今や実現可能となった」と喧伝されていた。しかし、こうした連合の成立には、マイノリティが以前と同じ割合で民主党に投票することが前提とされていた。現実には、大学教育を受けていないマイノリティは民主党からの離反を続けている。

民主党はどうなってしまうのだろう? 民主党は、巨大で分裂した党派的連合の運営に立ち往生しているようだ。穏健派が少なくなっていけば、最終的に道徳的な明瞭さを獲得できるだろう。しかし、勝利は得られるのだろうか? 疑わしい。

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