タイラー・コーエン 「『あなたは私をモノ扱いしてるのよ』 ~バレンタインデー当日のとある風景~」(2006年2月15日)

●Tyler Cowen, “Randian Valentine’s day rhetoric”(Marginal Revolution, February 15, 2006)


「あなたは、私をモノ扱いしてるのよ」。

彼女はそう言い放った。

・・・(略)・・・彼女をモノ扱いする。彼女を、僕の所有物のように扱う。それって一体どういうことなんだろう? 彼女に気を配るってことだ。保護して守るってことだ。僕が持ってないモノよりも、ずっと大事に扱うってことだ。

ふと彼女の顔に目をやる。そして、気付く。彼女の表情から判断するに、どうやら僕みたいに幸せじゃないようだ。

あっ! そうか! 僕は間違ってたみたいだ。誰もが自分を所有してるんだ。誰もが自分の持ち主なんだ。僕も彼女も同じように。でも、それはそれとして、僕が彼女をモノ扱いしてるっていうのを受け入れるとしよう。まだ大事な大事な問題が控えてるぞ。

僕は口を開いた。

「モノ扱いっていうけど、みんなのモノ(公有財産)っていう意味? それとも、誰か一人だけのモノ(私有財産)っていう意味?」

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