タイラー・コーエン 「しぶとい規範 ~デート代はどっちが払うべき?~」(2024年2月11日)

デート代の支払いにまつわる規範は、昔も今もそんなに変わっていないようだ。
画像の出典:https://www.silhouette-ac.com/detail.html?id=119267

恋愛関係を律する「規範」も含めてカップルの二人を引き寄せ合う磁力の秘密を探っているのが、ファイエットビル州立大学で教授を務めているシャンホン・ルオ(Shanhong Luo)だ。ルオも一員として名を連ねている研究チームは、査読付きの学術誌である Psychological Reports に2023年に掲載された論文で、ノース・カロライナ州のウィルミントンに住んでいて異性を恋愛対象とする総勢552名の大学生にデート代の支払いについてあれこれと尋ねている。具体的には、男性と女性のどちらがデート代を払うべきだと思うかについてだけでなく、実際にどちらがデート代を払ったかについても問うている。

どういう結果が得られているかというと、初めてのデートで男性(男子大学生)の側がデート代を全額ないしは相手よりも多めに払ったというケースが全体の約9割に上っていて、女性(女子大学生)の側が全額ないしは相手よりも多めに払ったというケースは約2%にとどまっている(残りの約8%は割り勘)。二回目以降のデートになると、割り勘にするケースが増えるものの、それでも大半のケースで男性の側がデート代を全額ないしは相手よりも多めに払ったという結果になっている。男性と女性のどちらがデート代を払うべきだと思うかという問いについてはどうなっているかというと、男性(男子大学生)の80%近くが「初デートでは男性がデート代を払うべき」と考えている一方で、同様に(「初デートでは男性がデート代を払うべき」と)考えている女性(女子大学生)は半数ちょい(55%)という結果になっている。

意外なことに、男女がそれぞれどういう役割を果たすべきか(ジェンダー・ロール)についての考え方の違いは、どちらがデート代を払うべきかについて大して意見の違いを生まないようだ。ルオらが聞き取り調査を行った男女のどちらの大学生にも当てはまる大まかな傾向として、ジェンダー・ロールについて守旧的な考えの持ち主であろうと進歩的な考えの持ち主であろうと、「男性がデート代を払うべき」と考えているのだ。

ニューヨーク・タイムズ紙のこちらの記事より。


〔原文:“Sticky norms”(Marginal Revolution, February 11, 2024)〕

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