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ビル・ミッチェル「貨幣乗数、及びその他の神話」(2009年4月21日)

Bill Mitchell, “Money multiplier and other myths“, Bill Mitchell – billy blog, April 21, 2009.

 

最近ニュースになっている量的緩和のような政策は、銀行システムの運用法や、非政府セクターと政府セクターの関係についての誤った思い込みに基づいている。主流派経済学の核の部分の1つであり、学生に対して早い教育段階で打ち込まれ、しばしば永久に学生にとって不利益に働く代物として、貨幣乗数(money multiplier)というコンセプトがある。それは、学生の記憶に永久にしつこく生き残り続ける(ないしそう見える)ので、極めて有害なコンセプトだ。また、貨幣乗数は、不換紙幣(fiat currency)&変動為替の現代金融経済における銀行の運用法の描写として、全く不正確である。それがなぜなのかを解説していこう! [Read more…]

ビル・ミッチェル「納税は資金供給ではない」(2010年4月19日)

Bill Mitchell, “Taxpayers do not fund anything“, Bill Mitchell – billy blog, April 19, 2010.

 

時折、誰も読んでいないし何の注意も払われていないが、不換紙幣(fiat currency)に基づく金融システム運営を行っている政府の持つ選択肢について、基礎的理解を提供している過去のいくつかの資料を発見することがある。そうした資料のうち、今でも有効なものの一つについて詳説しよう。その理解のエッセンスはこの記事のタイトルに要約されている――「納税は資金供給ではない」。したがって、評論家や政治家が”納税者のお金が無駄遣いされた”みたいなことを発言しているのを聞いたら、彼らが金融システム機能について理解していないと即座に結論付けることが出来る。この点において、彼らの主張は無視した方が良い――最初の前提がそもそも間違っているので、その結論も間違っている可能性が高いからだ。問題なのは、一般の政策議論が概してこうした誤った前提に基づいているということである。結果として、概して劣悪な政策方針が採用され、たいていの場合、恵まれない立場にいる人々の利益が著しく害されることになる。 [Read more…]

ビル・ミッチェル「自然利子率は「ゼロ」だ!」(2009年8月30日)

Bill Mitchell, “The natural rate of interest is zero!“, Bill Mitchell – billy blog, August 30, 2009.

 

メディアでは、オーストラリア準備銀行(RBA)が2009年末に利上げするだろうということがやかましく報じられている。失業と不完全雇用がまだ増加しており、雇用成長率が利上げ時点でゼロを超えるかどうか不透明な中では、利上げはナンセンスだと思われる。理論的な観点から言って、こうした全ての推論の道筋は(ジャーナリストたちが本当に理解しているかどうかはともかく)、”中立利子率”と呼ばれるコンセプトであり、これは新自由主義的偽装の一つだ。今回のブログ記事では、これについて論じていこう。 [Read more…]

ビル・ミッチェル「赤字財政支出 101 – Part 3」(2009年3月2日)

Bill Mitchell, “Deficit spending 101 – Part 3“, Bill Mitchell – billy blog, March 2, 2009.

Part 1 の翻訳はこちら

Part 2 の翻訳はこちら

 

この記事は財政赤字101のPart 3だ。このシリーズは、財政赤字を恐れるべきではない理由の説明のために書いている。この記事では、銀行システムにおける財政赤字の影響を考察することを通じて、「財政赤字が政府借入需要を増やし、金利を引き上げる」という既存の神話を蹴散らすつもりだ。この二つの議論には関係がある。重要な結論は、(a)財政赤字は金利に対して下落圧力をかける動態を持つ、ということと(b)政府債務発行は政府支出の”資金調達”をするものではない、ということだ。そうではなく、債務発行は、(オーストラリア中央銀行(RBA)の目標金利維持志向としての)金融政策をサポートするために行われるものだ。 [Read more…]

ビル・ミッチェル「赤字財政支出 101 – Part 2」(2009年2月23日)

Bill Mitchell, “Deficit spending 101 – Part 2“, Bill Mitchell – billy blog, February 23, 2009.

Part1の翻訳はこちら

Part3の翻訳はこちら


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スティーブン・ヘイル「解説:MMT(現代金融理論)とは何か」(2017年1月31日)

Steven Hail, “Explainer: what is modern monetary theory” (The Conversation, 31 January 2017)1

 

オーストラリア・アデレード大学経済学部講師
スティーブン・ヘイル

 

政府支出削減を求めるという困難な選択をするときに、俗に言う『予算ブラックホール』について心配しない経済学の学派がある。バーニー・サンダーズ氏のチーフ経済アドバイザーであったステファニー・ケルトン教授のようなMMT(現代金融理論。以下、MMT)提唱者は、オーストラリア政府は予算を均衡する必要はなく、経済を安定させる必要があると主張する。そして、彼らの主張は(今までの経済学のものとは)まったく違うものだと言う。

MMTとは、1990年代にオーストラリアのビル・ミッチェル教授和訳)とともに米国アカデミアのランドル・レイ教授、ステファニー・ケルトン教授および投資銀行家でファンドマネージャであるウォーレン・モズラー氏により経済運営の手法として開発され、ハイマン・ミンスキー、ワイン・ゴッドリー、アバ・ラーナーといった先駆的経済学者のアイディアをもとに築かれた理論だ。著名経済学者ジョン・M・ケインズの研究についてのミンスキーたちの解釈は、 1980年代には支配的になったものとは非常に異なっている。 [Read more…]

  1. 本稿は著者に特別許可を得て投稿しています。 []

ビル・ミッチェル「赤字財政支出 101 – Part 1」(2009年2月21日)

Bill Mitchell, “Deficit spending 101 – Part 1, Bill Mitchell – billy blog, February 21, 2009.

Part2の邦訳Part3の邦訳


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ビル・ミッチェル「MMTが論ずるのは『現実が何か』であって、『現実がどうあるべきか』ではない」(2017年4月20日)

Bill Mitchell, MMT is what is, not what might be, Bill Mitchell-billy blog, April 20, 2017

 

これまで定番のように書いてきたことの一つに、「MMTで世界は変わる」症候群とでもいうべき、読者や第二世代MMTブロガーが犯しがちな誤りがある。

あるいは「世の中を良くするために、原則をMMTに変える必要がある」症候群とも言えるだろうか。

MMTがレジームチェンジを求めているという考えは間違いで、そういう考え方ではMMTの核の問題意識から乖離してしまうことになる。

このブログ記事では、そういった症候群やMMTの考えの発展の様々な側面を俎上に上げているが、この作業によって、MMTの核の(初期の)研究者たち(Mosler, Bell/Kelton, Wray, Mitchell, Tcherneva, Fullwiler)が1990年代前半にマクロ経済学のより良い方法を構築に着手したときに抱いていた鮮明なアイデアを、読者たちに提供するのに役立ちたいと思っている。

ポイントは、

「MMTは、学問の世界における経済学の思考法のレジームチェンジではあるが、実際の金融システムの運用法のレジームチェンジというわけではない」

というところである。

『MMTが論ずるのは「現実が何か」ということであって、「現実がどうあるべきか」ではない』という事実を受け入れるためには、MMTの学術的研究によって明らかとなった政策運用上の原則と、MMTの思想的価値観をきちんと区別する必要がある。 [Read more…]

ビル・ミッチェル「MMT(現代金融理論)の論じ方」(2013年11月5日)

いわゆるMMT(Modern Monetary Theory)を主導する一人 Bill Mitchell のブログ Bill Mitchell – billy blog の翻訳許可を得ました! 第一弾は、5年前のこちらです。
How to discuss Modern Monetary Theory (November 5, 2013)


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