アレックス・タバロック「生徒主導型の授業は教員の技能を無駄にしている」

[Alex Tabarrok, “Student-Led Classrooms Waste Teacher Skill,” Marginal Revolution, May 2, 2018]

大量の研究によって,他の教示法に比べて直接教示法 (direct instruction) の方が,すぐれた結果をもたらすことがわかっている.『労働経済学ジャーナル』に載ったエリック・テイラーの新研究では,いかにして,そしてなぜそうなっているのかについてさらに情報を提供している.テイラーは無作為対照実験をもちいて,弱いかたちの直接教示法の授業と生徒主導の授業とを比べている.生徒主導の授業では――

数学の概念についてみずから生徒たちがみずから考えてお互いに伝え合うよう期待される.このとき,教員は「会話を円滑にし」「生徒たちがみずからの考えを表現する手助け」をしつつ,「生徒たちが問題に正しく答えることではなく[生徒の]理解に関心を集中する」

直接教示法の方が生徒がよく多く学習するという結果をもたらしているのをテイラーは見出している.だが,それより重要なのは,教員たちがどれくらいよく数学そのものや数学の教え方を理解しているのかに関するデータをテイラーは手にしていて,この知識が生産的になるのは基本的に教員たちが直接教示法を用いたときにかぎられるのを見出している点だ.言い換えると,教員たちの技能が結果を出すのはその技能を用いるタスクが教員たちに割り振られているときにかぎられるということだ.生徒主導型の授業は教員たちの技能を無駄にして,あまり生産的でなくなる.

Hat tip: Jose the (Not) Mediocre.

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