ロバーツ・ヒッグス説の論拠がでてきた.ぼくの記憶が確かなら,これは,革命と累進課税についてトマ・ピケティが最近発言したことの論拠でもある(誰かリンクを知らないかな?).Juliana Londoño Vélez がこう述べている:
《アブストラクト》20世紀における累進所得課税は,民主制ではなく戦争に迫られての産物だったと本稿は論じる.OECD 諸国の大規模サンプルで限界個人所得税率を長期で追いかける一方,《戦争の諸相関》[Correlates of War] データセットおよび Scheve & Stasavage (2012) から大衆動員戦争と民主制に関するデータを利用して,この仮説を検証した.検証結果からは,大衆動員戦争(i.e. 人口の 2% 以上が軍事関係に従事した戦争)によって,課税が大幅に累進的になったことが示唆される.こうした効果は,戦争終結によって消失せずに持続している.
論文の全文はこちら (pdf).興味深い文献がそろっているバークレー経済史ラボ・リストの1本で,バリー・アイケングリーンが引用している.バリーが述べているように,マルサスの罠に関して Lemin Wu が書いた論文の大幅改善版も参照のこと (pdf).
いつまで経っても、どこでもかしこでも、所得、所得。
トマ・ピケティの言っていたのも所得成長率の話ではなく資産成長率の話だったはずでは?
資産≠所得であることは忘れられている。
いつから、金持ちの定義が資産から所得にすり替えられてしまったのだろう?
累進資産課税ではなく、累進所得課税という点が興味深い。