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フランシス・ウーリー「セックスの分布に関するいくつかの基本事実」

Frances Woolley “Some basic facts about the distribution of sex” Worthwhile Canadian Initiative, April 29, 2018


カナダ公衆保健調査は,カナダ統計局が行っている任意の年次調査で,保健の状況やリスク要因に関する幅広い情報を収集している。2013-14年の調査の一環では,15歳から49歳のカナダ人47,764人に対して性活動―これまでセックスをしたことがあるか,調査前年にはセックスをしたか―について質問がなされた。

調査を受けた人たちの大多数は下のグラフにあるように性的に活発だった。

例えば,2013-14年に調査を受けた18-19歳の女性の88%(0.88)は,過去1年以内ににセックスをしたと回答した。過去1年以内にセックスをしたことがある確率は,女性では25-29歳がピークとなる。男性の場合これが10年遅く,35-39歳がピークとなる。

過去一年間にセックスをした人の割合(年齢別,性別,於カナダ)

縦軸:線形予測,横軸:年齢
青:男性,赤:女性

上述の推定は調査データに基づいているため,一定の許容誤差が避けられない。グラフ内の垂直線は95%信頼区間を表している。つまり,母数の中央値は20分の19の確率でこの信頼区間のどこかに存在している。2つの信頼区間がほとんどないし全く重なっていない場合,ある人口集団がもう一つの人口集団よりも多くセックスをしているというのはかなりの程度確かなこととなる。なので,18-19歳の女の子は18-19歳の男の子よりも性的に活発である可能性が高く,45-49歳の男性は45-49歳の女性よりも性的に活発である可能性が高い,ということを高い信頼度をもって言うことができる。

年齢と性別以外で性活動をうらなう最良の指標は結婚状況だ。結婚の主要な目的のひとつは,結局のところは性交の結果を法に沿うようにすることだ。次のダイアグラムは,他のすべてが等しい場合,結婚もしくは事実婚している男性と女性は,独身,離婚,寡ふの男性と女性よりも過去1年以内にセックスをしていた可能性が相当高いことを示している。

過去一年間にセックスをした人の割合(年齢別,性別,結婚状況別,於カナダ)

縦軸:線形予測,横軸:年齢
青:独身男性,赤:既婚・事実婚男性,
緑:独身女性,オレンジ:既婚・事実婚女性

もちろんながら既婚の性的に活発な人たちが自分の夫や妻とセックスをしているとは限らない。実際,40を過ぎた後の既婚者のセックスの折れ線にわずかな差があるのは,男性の不倫による性活動の増加を示唆している。ここには選択効果が働いている可能性もある。つまり,性欲の強い人は結婚し,結婚状態を続ける可能性がより高いというものだ。

上のダイアグラムは,禁欲的な人と性的に活発な人の差を見せているが,性的に活発な人のの性活動の頻度については捉えていない。セックスの頻度について知る方法の一つは,どのような避妊方法を使っているかを見ることだ。長期的な関係にある人たちはたいていの場合避妊ピルや子宮内避妊具といった,使いやすくて信頼性が高く邪魔にもならないタイプの避妊方法を使う。しかしながら短期的な関係あるいは一夜限りのものについては,コンドームが賢明な選択だ。次のダイアグラムは一番最近の性行為でコンドームを使った人の割合を示している。

一番最近の性経験でコンドームを使用した人の割合(年齢別,性別,於カナダ)

縦軸:線形予測,横軸:年齢
青:男性,赤:女性

男性は,最後にセックスをした際にコンドームを使用したと回答する確率が女性よりも一貫して高い。とはいえ部分的にはこの差異は,ゲイの男性はセックス中にコンドームをよく使用するのに対しレズビアンは使わないという事実による可能性が高い。

カナダ公衆保健調査では若年層について避妊用途でのコンドームの使用に関する情報を収集している。つまり,この数字はゲイとレズビアン間でのコンドーム使用の差に異教を受けない。この場合でも同じように男性のコンドーム使用率の高さが見て取れる。

避妊方法:コンドームの使用割合(年齢別,性別,於カナダ)

縦軸:線形予測,横軸:年齢
青:男性,赤:女性

このグラフは,20代前半の女性は同年代の男性よりも性的に活発であるだけでなく,定期的なセックス機会のある長期的関係によるセックスをしている可能性がより高いという考えと整合的だ。

”incel”―意志によらない独身―に関する最近の議論は,セックス経験の格差に関する問題を提起している。これらの図はそうした議論に関係する点を2つ取り上げている。

ひとつ目は,ある一時点におけるセックス機会の格差と生涯を通じてのセックス機会の格差との違いだ。18歳,20歳,22歳でセックスをしていない男性は,30代後半になるにつれて性的に活発になることも十分あるし,同世代の女性にはその逆がある。

ふたつ目は,セックスを容易にする最良の方法は結婚と同棲だ。セックスへのアクセスの格差縮小を考える人はすべて,結婚や事実婚関係を可能にする状況を作るように頑張るべきだ。

人々は安定した雇用と,家族を育むゆとりのある家を買うのに十分な収入がある場合に結婚する可能性が高まることを示す多くの研究がある。つまり,経済的な平等を高めるよう努力することとセックスの平等を高めるよう努力することの間に対立はないのだ。所得と資産格差を縮小するための政策は,人々の懐にデート費用を突っ込むのと同じ政策だ。そうした政策が人々のマイホーム購入を助け,マイホームで人々はいつでも好きな時に上になったり下になったりするのだ(少なくとも子供ができるまでは)。


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