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世界の貿易とドル

Emine Boz、IMFリサーチ部門シニア経済学者

Gita Gopinath、ハーバード大学国際学部・経済学部教授

Mikkel Plagborg-Moller、プリンストン大学経済学部助教授

2018年2月11日  VoxEU原文

国際マクロ経済学では通常、貿易パートナー間の為替レートこそが貿易価格、数量、そして交易条件についてもっとも重要であると仮定されている。このコラムでは別の考え、つまりアメリカドルに対しての為替レートこそが最も重要であるというものを支持する証拠を提示する。これは、合衆国が貿易に関わっていない場合ですら請求はドルで行われるのが一般的である為だ。この発見には金融と為替レートについての政策の運営に関する重要な含意がある。

国際マクロ経済学における主導的なパラダイムでは、貿易パートナー間での為替レートの変化は両国の交易条件の変化と結びつけられている。ミルトン・フリードマン(1953)が、価格が生産国通貨では粘着的であったとしても、変動相場制は完全雇用を維持する為のその国の輸入と輸出価格の丁度「正しい」変化を生み出すと主張したことは有名だ。この洞察は、標準的なマンデル-フレミング・パラダイム(Mundell 1963, Fleming 1962, Obstfeld and Rogoff 1995)における中心的な予測でもあって、それにおいては名目為替の減価はその国の交易条件(つまり、輸入価格の輸出価格に対する比率である輸入価格/輸出価格)の悪化へ繋がると仮定されている。つまり、名目為替レートが減価すると、輸入品価格の輸出品価格への比率は上昇すると。これと競っている別の影響力をもったパラダイムの一つ(Betts and Devereux 2000, Devereux and Engel 2003)では、地元(あるいは輸出先)通貨での価格づけを仮定しており、その核心部においては真逆の予測をしている-名目為替レートの減価はその国の交易条件の改善と繋がる、と。そして全世界的にはこれらのパラダイムはその国の為替レートの重要さは世界の貿易におけるその国のシェアに応じたものになっているとしており、それを超えた過大な役割を持つ為替レートは存在しないとなっている。

しかし、最近の証拠は貿易の大部分は明らかに少数の「支配的通貨」において請求されており、アメリカドルが特大サイズの役割を果たしている事を明らかにしている(Goldberg and Tille 2008, Gopinath 2015)。それゆえにCasas et al.(2016)が開発したのが「支配的通貨パラダイム」である。これは、貿易価格はドルにおいて粘着的であり、貿易国のドルに対しての為替レートがその貿易価格、数量、そして交易条件の中心的な要素であるというものだ。コロンビアのマイクロデータを利用して彼らが示した証拠は、その予測に強い支持を与えている。

この三つの価格パラダイムの世界的な重要性を測る為、我々は新しい研究において、世界の大半から取ったサンプルについての調和の取れた輸輸出双方向の各年ごとの単位あたり価値と数量の指標を作った(Boz et al. 2017)。我々の指標は55ヶ国についてのもので、2015年から国によっては1989年までに遡る非常に細分化された国連Comtradeのデータに関する2500 dyads (これは貿易ペアを意味する)以上の貿易の組み合わせを扱っている。我々のサンプルの中の国々は2015年の世界全体の輸出と輸入の91%を占めている。一つ重要な点として、我々はこの指標から一次産品1 を除外している。これはこのパラダイムが粘着的な価格の財にだけ関わるものだからだ。

我々は、生産者通貨や現地通貨による価格付けパラダイムは世界貿易で観測されるパターンと整合的ではない事、しかしデータは支配的的通貨パラダイムをかなり支持している事を発見した。我々のデータは、貿易の価格と数量に大きく影響するのはアメリカドルに対してのその国の為替レートである事を示唆している。これは合衆国が貿易取引に関わっているかどうかとは関係無しに起こっている。貿易のドルでの請求がこれについての説明の重要な部分となっている。

以下では、我々の結論を導いた4つの鍵となる事実について詳細していく。

1.交易条件の二国間の為替レートに対する反応は鈍い

我々は、二国間での為替レートの1%の減価による二国間(非一次産品)交易条件の悪化はわずか0.04%であること事を発見した。その95%信頼区間が[0.02%,0.05%]となるように、これのインパクトはほぼゼロであると推定される。この発見は主要なベンチマーク・パラダイムの予測とは非常に異なったものとなっている。マンデル-フレミング・パラダイムでは交易条件がほぼ1%悪化すると予測するし、現地通貨価格パラダイムなら完全に硬直的な名目価格を前提にして同規模の改善を予想する。しかしこれは、支配的通貨パラダイムとは完全に整合的である。大半の輸入と輸出がドルで請求されるので、一国の交易条件はその為替レートから切り離されているわけだ。

2.  ドルの為替レートの変化は、輸入価格と数量の動きの説明において貿易パートナー間での二国間為替レートの変化を圧倒している。

我々は次に、国々のペアごとでの二国間為替レートの輸入価格と量へのパススルーを推定した。貿易パートナーに対する輸入国の為替レートの1%の減価は、輸入価格の0.76%の上昇につながる(図1)。これは1年の間でのほぼ完全なパススルーを示唆している。しかし、ドルに対しての輸入国の為替レートを加えると、二国間為替レートのインパクトは0.76%から0.16%へ低下する。逆にドルは輸入価格への0.78%のインパクトによって支配的な要因となる。

_図1 為替レートに対する二国間価格レベルのインパルス応答

:図は、輸入国が報告するデータを用いた二国間価格レベルの二国間為替レートと米ドル為替レートに対するインパルス応答の推定をプロットしている。左の推定は、二国間輸入価格の変化を二国間為替レートの変化で回帰する通常のモデルからのもの。右の推定は、説明変数として輸入国のだけでなく米ドルの為替レートを付け加えたもの。エラーバーはdyadでクラスター化した標準誤差による95%信頼区間を表している。

更に、ドルの変動の役割は、ドルでの請求が多い国ほど大きくなる。我々の貿易データをGopinath (2015)による輸入国の国レベルでのドル請求シェアと突き合わせて、輸入の中でのドル請求シェアの10%ポイントの上昇はドルのパススルーの3.5%ポイントの上昇につながる事を発見した。このドルでのパススルーの数字はその国の輸入価格のドル価値に対しての感応度の上昇を表している。

同様に、ドルの為替レートを二国間の貿易数量予測の回帰に加えると、二国間為替レートの係数が大幅に低下する。ドル為替レートの同一期間での数量弾力性は-0.19であるが、二国間為替レートの弾力性は一桁小さい-0.03となっている。請求通貨としてのドルの役割はほんとうに特別であって、価格と数量の回帰においてユーロの説明力にも容易に打ち勝っている。

3. アメリカドルの強さは、アメリカ以外の国々の集計貿易数量とインフレーションの予測の鍵となる要因である。

アメリカドルの世界の他の通貨全てに対する1%の増価は、世界の景気変動を調整した上で、アメリカ以外の世界の国々の間での全貿易数量の一年以内での0.6から0.8%の低下を予測する。

更に、ドルでの輸入請求シェアの大きい国ほど、ドル為替レートから消費者そして生産者価格インフレーションへの高いパススルーを経験する。この発見は伝統的なマンデル-フレミングモデルの観点からではその二国間為替レートの強調故に理解しがたいが、支配的通貨パラダイムにおいては自然に発生するものである。

4. 輸入国の輸入のうちドルで請求されるシェアが国々のペアにおけるドル・パススルー/弾力性の変動の15%を説明する。

我々は次に、パススルー係数におけるクロスdyadでの不均一性が輸入のうちのドルでの請求の比率によってどの程度説明できるのかをみるために、フレキシブル階層ベイズフレームワークを組み立てた。平均のパススルーと不均一なパススルーの要因の統計的有意性についての情報を提供してくれる通常のパネルデータ回帰とは違い、ベイジアンアプローチは為替レートパススルー/弾力性のクロスセクション全体での不均一さと、この不均一性のドル請求との関係を数値化させてくれる。

我々の推定によると、輸入国のドルでの請求シェアが、ドル為替レートの価格へのパススルーのクロスdyadでの変動の15%を説明する。我々はまた、輸入国のドル請求シェアが貿易数量の為替レート弾力性に影響を与える事も発見した。これらの発見は、支配的通貨パラダイムの鍵となるコンセプトである請求に使われる世界的通貨の数値的な重要性を確認している。

結論

我々の発見は、交易条件は為替レートにはわずかしか反応しない事、ドルに対する通貨の価値がどこの国から輸入しているのかとは関係なしにその国の輸入価格と数量についての第一の決定要因である事、そしてドルでの請求の程度がドルの為替レートに対する価格と数量の反応の重要な予測要因である事を明らかにした。我々の推定値の大きさや、我々のデータが世界経済をカバーする程度からして、ショックの国際的伝播や金融や為替レートの最適な政策を分析する際には、支配的通貨パラダイムこそが伝統的なモデリングアプローチよりも実証的により意味のあるベンチマークであろう。

参照文献

Betts, C and M Devereux (2000), “Exchange rate dynamics in a model of pricing-to-market”, Journal of International Economics 50(1): 215-44.

Boz, E, G Gopinath and M Plagborg-Møller (2017), “Global trade and the dollar”, NBER Working Paper 23988.

Casas, C, F Diez, G Gopinath and P-O Gourinchas (2016), “Dominant currency paradigm”, NBER Working Paper 22943.

Devereux, M and C Engel (2003), “Monetary policy in the open economy revisited: Price setting and exchange rate flexibility, Review of Economic Studies 70(4): 765-84.

Fleming, M (1962), “Domestic financial policies under fixed and floating exchange rates”, IMF Staff Papers 9: 369-79.

Friedman, M (1953), Essays in Positive Economics, University of Chicago Press.

Goldberg, L and C Tille (2008), “Vehicle currency use in international trade”, Journal of International Economics 76(2): 177-92.

Gopinath, G (2015), “The international price system”, Jackson Hole Symposium, volume 27, Federal Reserve Bank of Kansas City.

Mundell, R (1963), “Capital mobility and stabilization policy under fixed and flexible exchange rates”, Canadian Journal of Economic and Political Science 29(4): 475-85.

Obstfeld, M and K Rogoff (1995), “Exchange rate dynamics redux”, Journal of Political Economy 103(3): 456-72.

  1. 原文では”commodities”。Commoditiesは必ずしも一次産品を意味するわけではないですが、元の論文のBoz et al. 2017をあたると”we define commodities fairly broadly as HS chapters 1–27 and 72–83 which comprise animal, vegetable, food, mineral, and metal products”とあり、動物、野菜、食品、鉱物、金属となっていますのでわかりやすく一次産品にしています。 []

創造性と自由

(訳者:はてブでのnagaichiさんからの指摘を受けて、Florenceを「フローレンス」から「フィレンツェ」に変更しました。ありがとうございます。)

2018年1月6日、 VoxEU原文

Michel Serafinelli、トロント大学経済学准教授

Guido Tabellini、ボッコーニ大学経済学教授

概要:イノベーションはしばしば特定の地域、いわゆる「創造性クラスター」に集中している。このコラムでは有名人の出生についての新しいデータを使って、11世紀と19世紀の間のヨーロッパの都市における創造性のダイナミクスについて探求する。その結果は、創造性が経済的繁栄に先立つ事、そして個人的および経済的自由を守る都市の制度が多くの領域でのラディカルなイノベーションにつながっていく事を示している。

創造性は様々な分野において時間的、空間的にしばしば非常に高く集中している。15世紀、フィレンツェは文学、絵画、彫刻、哲学、そして科学において驚くべき数の画期的なイノベータ達の故郷であった。19世紀になった時点において、ウィーンは絵画、医学、生物学、心理学、音楽のパイオニア達を有しており、それぞれが互いに交流を持っていた。16世紀末のロンドン、19世紀初めのパリ、そして過去数十年のサンフランシスコとニューヨークは、互いに関係の無さそうな多くの領域での創造性とイノベーションのクラスターのその他の例となっている(Banks 1997, Kandel 2012)。

そういった創造性のクラスターの成立と衰退は何に基いているのだろうか?富によってか、地域的な制度によってか、それともただの偶然にか?更に一般的に言って、そういった例外的なクラスター以外では、創造的な活動というものは時間的、空間的にどの程度集中しているものなのだろうか?異なる分野からの創造的な人達による共同集積はあるのか?そして一番重要なことは、イノベーションと創造的な才能を生み出すのを促進する為に、創造的クラスターの歴史的分析からどういった一般的な教訓が得られるだろうか?人間の進歩と経済的発展についての創造性とイノベーションの中心的役割からすると、こういった疑問への答えを知ることは非常に重要である。

創造的都市についてのデータ

最近の論文において、我々は11世紀から19世紀に生まれたヨーロッパの創造的なエリート達のデータを分析した(Serafinelli and Tabellini 2017)。これはヨーロッパ全域での様々な創造的活動(芸術、人文、科学、そしてビジネス)において名を成した人達の出生と死亡の時と場所についての情報を利用している。こういったデータのソースはFreebase.com、Googleが所有しSchich et al.(2014)によってコーディングされた大規模なデータベースであって、これはだれもが編集できる様々なソース、主にWikipediaからの情報を集めている。そして我々はこういった個人のデータと、Bairoch et al. (1988)とBosker et al. (2013)をまとめたヨーロッパの都市と地域的な制度についての歴史的データセットとをマッチさせた。よって我々の観測の単位は(11世紀から19世紀の間の)各世紀の都市となっている1

創造的活動において名を成した人達というのは、上層の才能と人的資本についての指標の一つである。人的資本の一般的な指標とくらべて、これはラディカルなイノベーションと創造性をより捉えらるものとなっているだろう。更に、こういったデータは特許のデータが利用可能でない時代や領域をもカバーしている。なのでこのデータは創造的クラスターの形成と衰退という非常に長期に渡って起こるものについての研究に適している。我々が着目する変数は、各世紀毎の諸都市における(住人1000人あたりでの)有名人が生まれた数である。出生は創造的才能の地域的生産の指標となる。そしてまた、有名な移民の数(つまりよそで生まれた有名なクリエイターの死亡数)にも着目している。残念ながら、我々はこういった著名人がその最も重要な仕事をどこで成したかについての情報は持っていない。ではあるが、データはこの問題を時間、地理、そして分野の幅によって補っている。
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創造的都市の定式化された事実

データの中の時間的空間的パターンを探求することから始めることにして、まず以下の定式化された事実を述べておく。第一に、創造的人物の出生や有名な移民は空間的に集中している。これは人口全般よりもそうなっている。図1は我々のサンプルの真ん中である15世紀における出生の地域的分布を示している。色が濃いほどより多くの出生を意味しており、人口規模は円の直径で表されている。有名人の出生は一部の都市に集中しているが、必ずしも大きな人口を持つ都市にというわけではない。大都市の中では、フローレンス、ニュルンベルク、そしてシエナが住人1000人あたりで最大の創造的人物の出生を誇っていた。

_      _図1 有名な創造的人物の出生の地理的分布、15世紀

注:色が濃いほど、より多く(住人1000人当り)の有名な創造的人物がこの世紀に都市に生まれている。円が大きいほど、都市の人口が多い。

図2は、我々のサンプル期間の終わりである19世紀での出生の地理的分布を示している。サンプルにずっと多くの都市が含まれるようになり、濃い色は北ヨーロッパとイギリスへシフトしている。移民の地理的分布も同様のパターンを示している。

_      _図2 有名な創造的人物の出生の地理的分布、19世紀

注:色が濃いほど、より多く(住人1000人当り)の有名な創造的人物がこの世紀に都市に生まれている。円が大きいほど、都市の人口が多い。

第二に、創造的人物の出生と有名な移民はまた、上で述べたフローレンスやウィーンの顕著な例のように、全分野でクラスター化している。これは、地域的な要因について調整した後でも真実である。なので、地域的な近さなり(観察出来きたり出来なかったりする)その地域の要素なりと関係したスピルオーバー効果が創造的活動にとって重要であり、一分野の中だけでなく分野を跨いで効果を発揮するのであろう。

第三に、出生と移民は持続性を示している。といっても、人口ほどではないが。ある時期に創造性の最先端にあった都市は当分の間、その優位性を維持できる。だが、永続的にとはいかない。移行行列を推定して、我々は創造性の持続の程度は分布のトップにおいてよりもボトムにおいての方が高い事を見出した。大抵の小さくて非創造的な都市はその状態のままでいつづけるわけだ。しかし、分布のトップにおいては、創造性のクラスターのシャッフルは人口についてのそれよりもよく起こる--大抵の大都市は成長を続けて大都市のままであり続けるが、創造性のクラスターは数世紀の中でより変化を見せる。

第4に、出生の全体的な地理的近さおよび出生地から死亡地への距離の分布は数世紀に渡って大して変化していない。この安定は創造的活動の集積は輸送やコミュニケーションのコストに敏感ではなく、代わりに歴史的に安定的な力を反映している事を示唆している。

創造性と経済的繁栄

我々は次に、因果関係についての疑問のいくつかに答えていこう。最初の自然な疑問は、創造性のクラスターは地域的な繁栄によって影響を受けるのか、それともその逆か、だ。手持ちの非実験データによっては、我々は決定版となる答えを提供できない。ではあるが、我々はデータの時間的パターンを利用する事はできる。人口を分布ラグモデルにおいて地域の繁栄を示す指標として、人口のラグ変数が有名人の出生と移民に影響がないという帰無仮説は棄却することができなかった。その一方、より多い出生数と移民はその後の世紀における都市のサイズの増加を予測している。これは地域の繁栄が創造的クラスターの形成や衰退に重要な役割を果たさない事を示唆しており、歴史的証拠の有名な例に一致している。その逆に、創造的才能のハブとなることは、その後の経済成長に貢献しているようだ。

人口規模は経済的繁栄の不完全な指標であるし、そもそも世紀の変わり目で測られているに過ぎない。なので我々は、銀のグラム重量で表された熟練労働者の賃金についての歴史データとともに分析を繰り返してみた。これについてはサンプルはヨーロッパの主要都市30ほどしか含んでいないが、時間は世紀単位ではなく10年単位であり、大半の都市については1400年から19世紀半ばの期間をカバーしている。有名人の出生なり有名な移民の到着の前に賃金が上昇し始めたという証拠はないが、その逆はある-地域の創造性の上昇はその後の賃金上昇と結びついているわけだ。

創造性と政治的制度

地域の繁栄でないならば、異なる時代での特定地域への創造的人物の集積を何が説明するのだろう?これに答える為に、地域の政治的制度の効果、とりわけ自由な都市に典型的な制度のものについて調べてみた。ダミー変数”Commune” (訳注:ここによると、「11世紀末から 13世紀初めにかけて西・南ヨーロッパで発展した都市の自治共同体」)によって都市の制度を分けている。これは各世紀の始まり頃での、政治的・行政的制度に基いて都市を分類するものだ。歴史家によって記されているように、コミューン Communeとなった都市はより自律性を享受し、個人的そして経済的な自由を保護して代議制政府の形態を保っていた。

我々はまず、各世紀の(住人1000人当りでの)創造的人物の出生で測った創造的才能の生産について調べてみた。これはコミューンを処置群とするイベントスタディを行っており、その主要な結果は図3に表されている。世紀のはじめ(図3のデート0)にコミューンになることは、その世紀の間に(住人1000人当りでの)創造的人物の出生のほぼ5%ポイントの上昇と繋がっており、その次の世紀にも更なる上昇がある。

_  ず   図3 地域の制度と有名な創造的人物の出生数

ノート:この図はコミューンステータスの変化の先行そしてラグ指標についての点推定を表している。オミットされたカテゴリーはコミューンステータスが変化する一期前である。従属変数はLog(1+Births)で、Birthsは住民1000人当たりの都市で生まれた有名な創造的人物の数である。縦のバーは地域ごとにクラスター化した標準偏差による95%の信頼区間となる。イベント時間指標+2に対応する回帰係数は、コミューンへ変化後の2期あるいはそれ以降の時期についてのものと理解されたい。

コミューンステータスへの自生的移行の可能性に対応する為に、コミューン制度の拡散は地域ごとの移行の波によって発生する事実に基づいて操作変数法(IV)を使ってみた。このIVによる推定はイベントスタディの結果を追認しており、非常に頑健だ。

次に、コミューンの発生(あるいは消滅)が有名な移民の流れと相関しているかを調べた。世紀ごとの出生都市と死亡都市の双方のデータを利用して移民の重力モデルを推定してみたのだが、その中心的な発見は、経済的そして政治的自由は都市を魅力的な目的地にしたということだ-コミューンとなる事は有名な人物たちの流入の増加と関係している。規模がほぼ倍になるのだ。

結論

コミューンになることがなぜ地域の創造性を促進するのだろうか?先験的には、いくつもの答えがありえる。まず第一に、個人と経済的な自由の保護は地域の文化を変えて、イノベーションと新しいアイデアに対してより受容的にする。第二に、新しい制度はより能力主義的、包含的な社会環境を通して、そしてまた都市の名声を高めるような技芸とイノベーションの制作を後押しすることでインセンティブも変化させる。第三に、自由な都市は、どこかの別の場所での検閲や迫害から逃れてきた有能で創造的な人達を引きつける。そして、これがロールモデルを作り出し、社会的な学習を促進して、新世代のイノベーター達を生み出す。こういったチャンネルは相互に排他的ではないし、その全てが重要だったというのもありそうなのだが、我々の研究ではその中での区別をつける事が出来ない。しかし、そのメカニズムがどういうものなのであれ、歴史的証拠は開放的で民主的な制度がイノベーションと創造性を生み出すという見解を強く支持している。

参照文献

Bairoch, P, J Batou and P Chèvre (1988), “La population des villes europeennes: banque de donnees et analyse sommaire des resultats, 800-1850”, Publications du Centre d’Histoire Economique Internationale de l’Universite de Geneve (2).

Banks, D (1997), “Clusters of talent”, Newsletter of the Classification Society of North America 48, February.

Bosker, M, E Buringh and J L van Zanden (2013), “From Baghdad to London: Unraveling urban development in Europe, the Middle East, and North Africa, 800–1800”, Review of Economics and Statistics 95(4): 1418–1437.

Gergaud, O, M Laouénan, E Wasmer, et al. (2016), “A brief history of human time: Exploring a database of ’notable people’”, Technical report, Sciences Po Departement of Economics.

Kandel, E (2012), The Age of Insight: The Quest to Understand the Unconscious in Art, Mind, and Brain, from Vienna 1900 to the present, Random House.

Schich, M, C Song, Y-Y Ahn, A Mirsky, M Martino, A-L Barabási and D Helbing (2014), “A network framework of cultural history”, Science 345(6196): 558–562.

Serafinelli, M and G Tabellini (2017), “Creativity over time and space”, CEPR, Discussion Papers No 12365.

  1. 同様の歴史的パースペクティブは上層の人的資本についてのマイクロデータを使った一群の研究でも使われている。とりわけGergaud et al. (2016)は人類の歴史(紀元前3000年から紀元2015年)を通しての100万以上の著名人と彼らに関係する700万以上の地点からなるデータベースを分析している。この研究と比べると、我々は創造的な人達、地域的パターン(分析の単位として都市を利用して)、アイデアの伝達、そして創造的クラスターの生成についての地域政府の制度の効果に特に着目している。 []

失われたアインシュタイン達:イノベーションとの接触が発明家を生む

2017年12月24日 VoxEU原文

Alex Bell、ハーバード大学Ph.D候補

Raj Chetty、ハーバード大学経済教授

Xavier Jaravel、LSE経済准教授

Neviana Petkova、アメリカ財務省リサーチエコノミスト

John Van Reenen、MIT応用経済教授

 

概要:人を発明家にする要因についてはほとんど知られていない。合衆国での100万を超える発明家の生活についてのデータを利用して、このコラムではイノベーションを増やすのに最も効果的な政策について光をあてる。とりわけ、女性、少数派、そして低所得家族からの子供がイノベーションに触れる機会を増すことが、税率を下げるといった伝統的なアプローチよりもイノベーションを促進させるのにより大きなポテンシャルっを持っているかもしれないことを示す。

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人種隔離と南部のリンチング

2017年10月14日 原文

Lisa Cook、ミシガン州立大学経済学部

Trevon Logan、オハイオ州立大学経済学部

John Parman、ウィリアム・アンド・メアリー大学経済学部

概要:アメリカ南部における私的制裁、 リンチング がそのピークを迎えたのは1890年代であるが、いまだにそのインパクトは持続している。このコラムは人種隔離の新しい推計をリンチングの発生についてのデータに当てはめて、黒人人口比率の高い郡ほどリンチングが起こりやすかったというこれまでの発見、そしてさらに黒人人口の隔離が進むほどリンチング活動も増えていたという事を確認する。これらの発見は居住地の隔離が非都市部 (rural) において集団間の関係と、その関係に基づいた経済的社会的な結果にとって重要である事を示している。

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市場アルゴリズムと政府の範囲:ハイエクについての考察

原文

Samuel Bowles、サンタフェ研究所

Alan KIrman、社会科学高等研究院(フランス)

Rajiv Seth、コロンビア大学

2017年12月8日

概要:ハイエクは価格はメッセージであるとする情報からみた市場観のパイオニアであり、彼による経済の動学的ビジョンは今日の情報の経済学を下支えする均衡分析の方法とは異なる選択肢を与えてくれるものである。しかしながら、このコラムではこれらの功績はハイエクが推奨した制約された政府の政策を支持するものではこと、それだけでなくそれを疑う理由すら与えるものでもある事を論ずる。

 

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グレートリセッション、されど変動為替(の根拠)は健在なり

グレートリセッションにおいても変動為替レート支持の根拠は健在なり

From VoxEU

2017年9月16日
Giancarlo Corsetti、ケンブリッジ大学マクロ経済学教授; ケンブリッジ-INET、ディレクター
Gernot Müller、テュービンゲン大学経済学教授
Keith Kuester、ボン大学マクロ経済学教授

 

概要: 変動相場制支持の昔からの根拠は、政策決定者が通貨のターゲットによって制約されないというものである。しかし先のグレートリセッションにおいては、数多くの中央銀行がその代わりにゼロ金利制約によって制約されてしまった。このコラムは、世界的不況下では小さな開放経済にとってどういう為替制度がベストなのかを考察する。モデルは、もしショックの震源地が国外であり、外国の金利がそのゼロ金利制約によって縛られているのならば、変動為替は自国経済を大きく隔離してくれる事を示唆している。

変動相場制支持の古典的な根拠は、通貨ターゲットからの制約がなければ政策決定者たちはビジネスサイクルの攪乱に対応して効果的に金融政策のスタンスを変更し、独自のインフレターゲットを選ぶ自由があるという議論によっている。高度な資本移動の世界において、もし逆に為替レートのペッグにコミットしていたり通貨同盟に参加している国は、そういった選択肢を諦めなければならない。

(この主張における)変動相場制においては金融政策は国内でのそのスタンスを自由に変更できインフレをコントロールできるというその前提を、グレートリセッションによって非常にはっきりと浮き彫りにされた。グレートリセッションの間、多くの中央銀行が見出したのは、自分たちが金利についてのゼロ金利制約(Zero lower bound, ZLB)によって制約を受けてしまっている事だったからだ。これにより変動相場制支持の根拠を再考する文献が生み出され始めた(たとえば、Galí and Monacelli 2016, Cook and Devereux 2016, Schmitt-Grohé and Uribe 2016). 特にCook and Devereux (2016) は、通貨ターゲットがあれば、国内のインフレは外国のインフレから大きくは乖離しえないという主張を打ち出した。大きな負のショック(変動相場制において利子率をZLBまで落とすような)への反応においても、インフレ期待はつなぎ留められ、害をもたらすデフレーションダイナミクスを防ぐと。われらの(先進)経済がZLBの問題に対して脆弱であるように思われることからすると、固定相場制の「拘束服」は結局、有害なものではなかった、という事なのだろうか。

 

図1 スカンジナビア4カ国の実質GDP (上の図) と為替レートの変化(下の図)

ノート: サンプルの期間=2007Q4-2012Q4。GDPは2007Q4を100%として正規化、為替レートは2007Q4と比較してのパーセンテージで表している。
ソース: OECD Economic Outlook および Bundesbank。

 

この議論は理論的なだけのものでは全くないし、この主張は反論を呼ばないものでも全くない。議論の中心にある問題を明らかにするために、図1ではグレートリセッションの間のスカンジナビア4カ国の産出と為替レートの推移を表している。世界的なショックへの反応の違いには各国固有の要素もあるだろうが、この四か国は所得、文化、そして制度について比較可能な類似性をもった国々である。この諸国は、しかしながら、為替制度の仕組みにおいて異なっている。これらのうち2か国は為替レートの柔軟さ放棄している:フィンランドはユーロゾーンのメンバーであり、デンマークは独自通貨を使っているもののユーロへの狭いペッグを維持している。他の二国、スウェーデンとノルウェーはインフレターゲットを行っているが、しかし2009‐10年に政策金利がZLBまで低下したのはスウェーデンだけだった。図のaはフィンランドとデンマークにおいて相当の産出低下があったが、ノルウェーにはなかった事をしめしている。逆に、スウェーデンにおける低下はノルウェーよりも大きく、実のところそのインパクトはデンマークやフィンランドと同様の大きなものだった。しかし、スウェーデンはその後、素早く回復を果たした。われわれの目的にとって最も重要なのは、図bがノルウェー・クローネがこの危機の最初の年に大きく減価した事を示している事、だけではない。これは金融政策上の制約に直面しておらず政策金利を操作する余地に恵まれている国については予想されることだ。それだけではなく、スウェーデン・クローネも減価した事を示していることだ。もっとも、当初はノルウェーの通貨ほどではなかったが。この証拠は変動相場制支持の根拠が残っている事を示唆している(( このコラムで論じられている問題に付け加えて、近年の文献は大規模な資本移動の潜在的な不安定化効果(たとえば Obstfeld et al. 2017)や通貨戦争(たとえば Caballero et al. 2015)に関しての変動相場制の再検討 を行っている))。

世界的グレートリセッションにおいては、小さな開放経済にとってどの為替制度がベストなのか?

最近の論文において、我々はこの問題を再考察し、理論的結果と政策への提言はこれまでのところ文献が示唆してきている(Corsetti et al. 2017)よりも、より微妙なものである事を示している。変動為替レートは、ZLB突入のリスクにさらされている経済においてすら、まだ重要な厚生上の特徴を有している。

可能な限り明瞭にするために、文献中の既存の結果を取り込んで、そしていくつか新しい結果を提出した。統一フレームワークとしてNew-Open-Macroeconomicsモデルを、つまり小さな開放経済についての解ける(tractable)解析的数式を利用した。三つの金融制度を考察した:制約なしの変動為替相場制で、金融政策は常に自然利子率をターゲットとする伝統的なテイラータイプのルールを実行しようとする;変動為替相場制であり金融政策はテイラールールを実現しようとするが、相当の期間に渡って金利を変更できない;そして、信用できる恒久的な為替レートペッグ。つまり、制約のない金融制度を、二つの制約された制度、つまり通貨ペッグによるものと、利子率がZLBにぶちあったっているものと対比したわけである。

そうして、グレートリセッションに直面した時にどの為替相場制度がより良いマクロ経済的な、そして厚生面でのパフォーマンスを実現できるのかを問うた。もし経済がZLBにあるならば、どういった条件の下でならそれでも変動為替レートは「隔離」を提供できるだろうか?どの制度の下で、財政政策は金融政策の良い代りとなりえるだろうか?

我々の議論の出発点は、ZLBは一国だけのものでも世界的なものでもありうるという認識である(言い換えると、不況を引き起こす大きな需要ショックは自国でだけ発生したものでも、国外から伝わってきたものでもありうるという事)。その後に続く不況が自国固有なものか国際的(システマティック)なものであるかの性質は大きな違いを生むことが分かった。

われわれが発見したことは、ショックのソースが外国であり、外国の利子率がそのZLBにおいて制約されていて外国の金融政策が負の需要ショックを和らげる事ができないのならば、変動為替レートが国内経済へのかなりの程度の隔離を提供するという事だ。これは国内の金融政策がZLBにつきあたる事なく適切な強度で利用できる場合だけでなく、(ある程度弱くはなるが)国内の金融政策がZLBによって制約されている時にもそうである。その理由は、そしてこれが我々の分析の最も革新的な結果であるが、効率的なレベルでの金融刺激がない中においても自国通貨が先行して減価するからだ((もし外国の金融政策がZLBに陥っていないならばこうはならないが。言い換えると、世界的なリセッションのショックを効果的に安定化させることができるならば、「グレートリセッション」はない事になる。この場合、自国経済がZLBに突き当たっているならば、自国の為替レートは増価する。))(図1のスウェーデンのケースを思い出してもらいたい)。先行した減価が自国生産製品に対する外需と内需双方の需要を安定させ、我々のシナリオにおいて諸外国を這いより襲うどんなデフレーションから国内価格をある程度切り離してくれる。

世界規模の不況などと対面すると、対して通貨ペッグはかなり悪いパフォーマンスを示す。そういった制度においては、国は現在の需要を安定化させる恩恵をあきらめるので、国内経済は国際的な需要の低下に全面的に晒される事になる。しかしまた、より重要なことに、信頼できるペッグは自国価格を外国価格のレベルに据付させる。もし(流動性の罠のグローバルリセッションの渦中にあることの結果として)諸外国がデフレの波に襲われているならば、国内経済はそれを輸入してしまうことになる。さらに酷いことに、これは為替レートが実質値で増価するほどまでなのだ。これはつまり、上昇する実質利子率が自国の消費需要を低下させ、外需低下の負の効果と競争力の低下を悪化させるという事を意味する。さらに、こういった効果は長くつづく。通貨をペッグした国は将来の需要を安定化させる恩恵もあきらめたわけだから。

こういった結果の重要性は強調しすぎるということはない。先のグローバルクライシスの発生から10年、世界経済は大きな世界的ショックが大規模な不況を再び引き起こすリスクに晒されたままとなっている。これは小さな開放経済の政策決定者にとって難しい問題である。開放経済はまさにその開放性ゆえに、外部の展開に特に晒されるわけだから。我々の発見からすると、そういった世界において、変動為替レート支持の根拠は健在である。内部の論理的には、効果的な金融安定化を行えなくする一時的な流動性の罠のリスクは、広く認められた知見を覆すのには充分な理由ではないということになる((セキュラー・スタグネーションのコンテクストにおいての関連した議論については、Corsetti et al. (2017a)を参照。))

バランスの取れた政策の教訓を

文献で強調されるように、需要低下のショックが諸外国を襲ってない場合、結果は非常に違ったものになる。芯となる違いは世界価格の反応である。もしショックが世界的なものでなく、その小さな開放経済の中で発生したものならば、インフレを嫌う外国の金融当局は世界価格を安定させる事ができる。そうならばペッグは安定した世界価格のレベルへ向けて、国内経済を膨張させることへのコミットメントを提供する。そして、信頼できる安定した名目アンカーは小さな開放経済において有益なものでとなる。もし逆に、通貨の制約がなく、自国の利子率がZLBにあるならば、経済活動は低下して国内価格が低下し始める。

しかし、まさに変動為替レート下でこのZLB問題が起こる(たとえば、大規模な国内需要へのショックによって)というような状況こそが、「幸運な組み合わせ」でもある―財政政策が遥かに効果的な安定化のツールとなる事が期待できるからだ。財政政策の強いインフレ―ショナルなインパクトはZLBにおいて乗数のサイズをふくらませる(たとえば、Woodford 2011, Fahri and Werning 2017)。重要なことに、これはショックの発生場所(国内か外国か)にかかわらず真実だ。逆に、我々の以前の研究において明らかにしたように(Corsetti et al. 2013)、価格レベルの長期的予想を一定の世界価格へ固定する事により、為替レートターゲットは公共支出のインフレ―ショナルなインパクトを制限するので、財政政策はペッグにおいてある程度非効果的となる。この結果は、ZLB問題が小さな開放経済における変動為替レート支持の理由を必然的に弱めるわけではない更なる理由とみなせるものだ。

勿論、財政政策に頼ることは経済的なり制度的な制約によって限られる事もあるだろう((モデルはカントリーリスクの要素を組み込むことでより豊かなものとなり得たが、これは安定化政策に制約を追加する。Krugman (2014)やわれわれの以前の研究(Corsetti et al. 2016)の両方が強調したように、変動レートの比較的有益さを必然的に減ずるというわけではないのだが。))。この意味において、我々の結論はPoole (1970)の古典となる研究のロジックに準じたものと理解する事が出来る。ZLB問題のリスクの直面しての変動為替レートとペッグの間の選択は、最終的には経済がどういったタイプのショックにもっとも晒されやすいか、そして政策決定者が効果的に利用できる制作手段のセットによって定まる。

参照文献

Caballero R, E Farhi and P O Gourinchas (2015), “On the global ZLB economy”, VoxEU.org, 5 November.

Cook, D and M Devereux (2016), “Exchange rate flexibility under the zero lower bound”, Journal of International Economics 101: 52-69.

Corsetti, G, K Kuester and G J Müller (2013), “Floats, pegs and the transmission of fiscal policy”, L F Cespedes and J Gali (eds), Fiscal Policy and Macroeconomic Performance, vol 17, Central banking, analysis, and economic policies book series, Central Bank of Chile, Chapter 7: 235-281.

Corsetti, G, K Kuester and G J Müller (2016), “The case for flexible exchange rates in a Great Recession”, CEPR, Discussion Paper 11432.

Corsetti, G, K Kuester and G J Müller (2017), “Fixed on flexible: Rethinking exchange rate regimes after the Great Recession”, CEPR, Discussion Paper 12197.

Corsetti, G, E Mavroeidi, G Thwaites and M Wolf (2017a), “Step away from the zero lower bound: Small open economies in a world of secular stagnation”, CEPR, Discussion Paper 12187.

Farhi, E and I Werning (2017), “Fiscal multipliers: Liquidity traps and currency unions”, Handbook of Macroeconomics 2: 2417-2492.

Galí, J and T Monacelli (2016), “Understanding the gains from wage flexibility: The exchange rate connection”, American Economic Review 106(12): 3829-68.

Krugman, P (2014), “Currency regimes, capital flows, and crises”, IMF Economic Review 62(4): 470-493.

Obstfeld, M, J D Ostry and M S Qureshi (2017), “Trilemma redux: New evidence from emerging market economies”, VoxEU.org, 11 August.

Poole, W (1970), “Optimal choice of monetary policy instruments in a simple stochastic macro model”, Quarterly Journal of Economics 84(2): 197-216.

Schmitt-Grohé, S and M Uribe (2016), “Downward nominal wage rigidity, currency pegs, and involuntary unemployment”, Journal of Political Economy 124(5):

1466-1514.

Woodford, M (2011), “Simple analytics of the government expenditure multiplier”, American Economic Journal: Macroeconomics 3(1): 1-35.

欧州におけるポピュリズムと信頼

From VoxEU  2017年8月23日

Christian Dustmann、University College London (UCL) 経済学教授

Barry Eichengreen、カリフォルニア大学バークレイ校経済学・政治学教授

Sebastian Otten、UCL シニアリサーチオフィサー

André Sapir、ブリュッセル自由大学教授

Guido Tabellini、ボッコーニ大学経済学教授

Gylfi Zoega、アイスランド大学経済学教授

概要: 近年、既成の政治制度や政党への信頼の低下とポピュリスト運動やその政策への支持の増加が見られるようになった。それも欧州連合への懐疑や、一部でのあからさまな敵意が見られる欧州だけに限られたものではない。このコラムはCEPRのMonitoring International Integration series (国際統合の観測シリーズ)の最初のレポートである。これは各国内と欧州全体の政治制度両方における信頼の低下の根源を分析し、その展開の結果としてEUが危機にあるのかを問うものである。

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消えた成長の謎:あるいは如何に帰属と創造的破壊がTFPに影響するか

訳者: 帰属計算というと、普通はGDPの計算で市場取引されていない財・サービスの価値の計算方法のことかと思いますが(よく例として出されるのが、持ち家の住居サービスの価値の計算)、このコラムでは名目値を実質値とインフレ率に変換する際の、新製品の影響の計算方法の事を指しています。

 

消えた成長:帰属と創造的破壊がいかにTFPの計測に影響を与えるか

From VoxEU

2017年8月16日

Philippe Aghion, ハーヴァード大学経済学教授、CEPRリサーチフェロー

Antonin Bergeaud, パリ経済学校博士課程学生、フランス銀行

Timo Boppart, ストックホルム大学IIES助教授

Peter Klenow, スタンフォード大学経済政策教授

Huiyu Li、サンフランシスコ連邦準備銀行

概要:全要素生産性の成長率が低下していることから、世界はイノベーションのアイデアに枯渇しつつあるのだと主張する人達がいます。このコラムは算出が計測される方法がこれを判断する上での核心であると主張し、産出計測バイアスにおける帰属の役割を定量化します。「新しい」ものと既存の製品を区別することで、合衆国経済の消えた成長を見つけ出すことが出来ました。この消えていた成長を考慮することで、統計当局はその手法を向上し、新しいアイデアの登場をより容易に認識することが出来ますし、またこれは最適成長とインフレターゲット政策についての含意を持ちます。

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経済学は何を研究しているのか?

経済学者は何を研究しているのか? From VoxEU

Christopher Snyder,  ダートマス大学経済学部教授

2017年8月12日

 

概要: メディアが経済学にネガティブな光を当て続けているなか、我々の分野が一般層にどのように語られているのかについて再考する価値はあるでしょう。このコラムは、経済学の基本的な原理ですら多くの人々が可能だと考えているよりも広い範囲の問題を説明する力があって非経済学者を驚かせることができることを説明します。

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グローバライゼーションと合衆国の労働市場

グローバライゼーションと合衆国の労働市場 From VoxEU

Mine Senses、ジョンズ・ホプキンズ大学国際経済学准教授

2017年8月6日

 

概要: グローバライゼーションによってもっとも被害を被ったコミュニティは近年の合衆国の選挙において中道の候補からよりイデオロギー的に過激な候補へと支持をシフトさせたという証拠などが出てきている。Vox eBookから抜粋されたこのコラムでは、グローバライゼーションの波を反転させる事を約束して当選した政治家の政策がどういうものになるかと、そういった政策の成功の見通しについて考えてみる。

編集者注: このコラムは最初、Vox eBook、Economics and policy in the Age of Trump、の中の1章として書かれた。この本はここからダウンロード可能である。

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