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アレックス・タバロック「バーナンキVSフリードマン」

Alex Tabarrok “Bernanke v. Friedman” (MarginalRevolution, July 15, 2014)


ミルトン・フリードマンは、大恐慌が起こったのは銀行制度の崩壊によりマネーストックの減少と貨幣速度の減速が起こり、それが大規模な総需要の不足を招き、かつそれにFEDが対策をとらなかったからだと主張した。彼のアンナ・シュワルツとの共著の題名、「合衆国貨幣史」は的を射たものだ。ベン・バーナンキもまた、銀行制度の危機を大恐慌の筋書きの中心に据えているが、その伝播の仕組みは大きく異なっている。バーナンキによると、銀行制度の危機は信用の崩壊を招いた。大恐慌研究に関する彼の貢献もまた、「大恐慌の伝播における金融危機の非貨幣的影響」という的を射た題名となっている。 [Read more…]

ローレンス・ボール「大不況による長期的被害」

Laurence Ball “The Great Recession’s long-term damage“(VOX, 1 July 2014)

教科書的なマクロ経済理論によれば産出量は不況の後には潜在的な水準に戻るはずだということが示唆されるのに対し、深刻な不況は産出量に対しかなりの継続的影響を与えるという山のような証拠がある。本稿では、大不況によってもたらされた長期的な被害の測定について報告する。サンプル中のほとんどの国において、潜在産出量の損失は平均して8.4%であり、実際の産出量の損失とほぼ同じ大きさとなっている。不況による被害が最も酷かった国においては、今日の潜在産出量の成長率は2008年以前のそれよりもずっと低い。 [Read more…]

ニック・ロウ「マクロ経済論議:需要不足VS不確実性ってほんと?」

Nick Rowe “Insufficient Demand vs?? Uncertainty” (Worthwhile Canadian Initiative, July 04, 2014)

(訳者補足:本エントリは、先に訳したジョン・コクランの記事と、それへのノア・スミスの反応に対するもの。)


これは間違った二分法だ。以下では、ささっとノア・スミスジョン・コクランへの反応を書いてみよう。

ジョン・次のように言ってる。「ジョン・テイラー、スタンフォード大学のニック・ブルーム、シカゴ・ブース大学のスティーブ・デーヴィスは、勘に頼った政策によってもたらされた不確実性のせいだと考えている。大統領の次の一筆や司法当局による魔女狩りによって全ての努力が水の泡にされてしまう可能性があるのであれば、誰が雇用や貸出、投資をしたいなどとおもうだろうか。エド・プレスコットは、歪みの大きな税や差し出がましい規制を強調している。シカゴ大学のカーシー・マリガンは、社会保障政策による意図せざるディスインセンティブを解析している。そしてその他色々。これらの問題が不況を引き起こした訳ではない。だがこれらは今や悪化しており、回復を妨げ成長を遅くしている。」

オーケー。政治的不確実性の増大が「雇用や貸出、投資」をする意志の減少を引き起こしたと仮定してみよう。これは妥当なように僕には見える。ただ力の向きは正しいけれど、その大きさは分からない。 [Read more…]

ノア・スミス「マクロ経済論議:不況と回復についてのコクランの考え」

Noah Smith “Cochrane’s thoughts on the recession and recovery” (Noahpinion, July 03, 2014)

(訳者補足:本記事は、先日訳したジョン・コクランの記事に対するノア・スミスの反応。本件についてはこのほか、ニック・ロウの反応ノア・スミスの別の反応も後日投稿予定。)


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ジョン・コクランがウォール・ストリート・ジャーナルの論説で今回の不況の原因について議論している。この論説は基本的にはケインジアン、ニューケインジアン、そして回復の鈍さが「需要」の関数だと考えているあらゆる人に対する批判となっている。

マクロ経済学者の違いが先鋭化するのは、不況後の景気の低迷の原因とそれを治す可能性があるのはどの政策かということについてだ。それは大まかに言えば、景気の低迷は金融刺激や財政刺激によって解決できる「需要」不足なのか、あるいは刺激策では解決できない歯車の中の砂粒のような構造的なものなのかということだ。

「需要」側は当初、ニューケインジアンのマクロ経済学モデルを引合いに出していた。(中略)しかしニューケインジアンモデルを厳密に見てみると、この診断と政策予測は脆弱なものに映る。(中略)こうした問題は認識されており、ブラウン大学のガウティ・エガートソンやネイル・メフロトラをはじめとした研究者たちは今やこれらを解決するためにモデルをいじくるのに懸命になっている。(中略)

別の見方では、「需要」不足が問題となっているのではもはやない。(中略)それでは一体問題はどこにあるのだろうか。ジョン・テイラー、スタンフォード大学のニック・ブルーム、シカゴ・ブース大学のスティーブ・デーヴィスは、勘に頼った政策によってもたらされた不確実性のせいだと考えている。大統領の次の一筆や司法当局による魔女狩りによって全ての努力が水の泡にされてしまう可能性があるのであれば、誰が雇用や貸出、投資をしたいなどとおもうだろうか。エド・プレスコットは、歪みの大きな税や差し出がましい規制を強調している。シカゴ大学のカーシー・マリガンは、社会保障政策による意図せざるディスインセンティブを解析している。そしてその他色々。これらの問題が不況を引き起こした訳ではない。だがこれらは今や悪化しており、回復を妨げ成長を遅くしている。

こうした考え方は、唯一の原因は需要であって簡単な魔法の弾丸のような政策によって解決できるというものよりも大分セクシーさに欠ける。

なぜみんなは不況を理解するにあたって「需要」が鍵になると考えるのだろうか。「需要側」の解決策が簡単、あるいは単一原因説が「セクシー」であるからだけじゃないと僕は思う。僕が思うに、これは価格に関係しているんだ。 [Read more…]

ジョン・コクラン「マクロ経済論議」

John Cochrane “Macro debates” (The Grumpy Economist, July 2, 2014)

(訳者補足:この記事に対しては、デヴィッド・グラスナーノア・スミスニック・ロウなどが反応している。後二者については別途時間が許せば訳す予定)


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以下はウォール・ストリート・ジャーナルに掲載された私の論説だ。下敷きとなっているのはニュー・ケインジアンの流動性の罠という論文なので、ニュー・ケインジアンモデルに関する主張についてもっと知りたい人はそちらを見てほしい。

ウォール・ストリート・ジャーナルはグラフをいらないと言ったのだが、グラフは要点をうまく説明してくれると思う。

というわけで以下が本文となる(いくつか削除した部分を戻したのと、タイポの修正を行った)。 [Read more…]