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アレックス・タバロック 「科学の世界に再び舞い戻ってノーベル賞を受賞」(2014年10月8日)

●Alex Tabarrok, “The Nobel Prize in Chemistry”(Marginal Revolution, October 8, 2014)


今年度(2014年度)のノーベル化学賞を共同受賞した一人であるエリック・ベツィグ(Eric Betzig)はハワード・ヒューズ医学研究所が創設したジェネリア・ファームで研究チームのリーダーを務めている。壮大な外観のジェネリア・ファームは米バージニア州アッシュバーンの近郊に鎮座している。講演にお呼ばれしたこともあってジェネリア・ファームの内部にはこれまでに何度か潜入した経験があるのだが、その際にベツィグが開発した超高解像度の顕微鏡が化学、生物学、脳科学といった分野の研究にいかなる影響を及ぼしているかをまざまざと思い知らされたものだ。ベツィグが開発した新型の顕微鏡の助けを借りれば生きた細胞のダイナミックな動きを目にすることができる。その顕微鏡で捉えられた「映像」をご覧になりたければこちらのページでいくつか確認できるので是非ともチェックされたい。画面を下にスクロールすると染色体が分離する様子を捉えた映像(アニメじゃないよ!)も見れるのでそちらも忘れずご覧あれ。

ベツィグは実に変わったキャリアの持ち主だ。ベル研究所で6年にわたり研究に従事。その後はというと科学の世界から足を洗って製造業の分野に転身することに。父親が経営する工場で機械の開発に携わることになったのだ。父親の工場で働き出してから10年ほど経過した頃に科学の世界に再び戻りたいとの思いが湧き上がってきたものの、(父親の工場で働いていた)10年の間に発表した論文の本数はというと・・・ゼロ。科学の世界に戻りたくともおいそれと居場所を得られようはずもなかったわけだ。そこでベツィグは実家のコテージでああでもないこうでもないと頭を捻りに捻った。科学者としての職を得るためにアイデアの発見に努めたわけであり、その時に思い付かれたアイデアがノーベル賞受賞への道を切り開くことになったというわけだ。

今回の件で情報を寄せてくれたMonique van Hoekに感謝。

(追記)今年度(2014年度)のノーベル化学賞の対象となった(蛍光顕微鏡にまつわる)テクニックの詳細についてはデレク・ロウ(Derek Lowe)によるこちらの記事を参照されたい。


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