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タイラー・コーエン「どうしてメキシコの書店では本にシュリンクをかけたまま販売してるの?」(2021年7月25日)

[Tyler Cowen, “Why do they keep the books wrapped in Mexican bookstores?” Marginal Revolution, July 25, 2021] 

そう,透明なビニールで包装したままってこと.だから,店頭でページをめくれないし,中身がどんな感じか眺めるのもかなわない.いくつか仮説が思いつく:

#1. メキシコの書店は,買いもしない客に店頭で立ち読みされたくない.昔のアメリカにあった漫画のニューススタンドに少し似てる.でも,漫画よりもずっと長い本やたいていの小説には,これは当てはまりそうになく思える.

#2. 書店としては,本の見た目があまり薄汚くならなまま,きれいに保っておきたい.

#3. 価格差別については,どうだろう?

読者が2種類いたとしよう.片方はより貧しい読者たちで,本当にいいものだとわかった本しか買わない.『ハリー・ポッター』は,そういう本の一例かもしれない.みんなが読んでいる本を読んで,学校でみんなと話題にしたいと思っていて,78ページまでじっくり検討してから買うかどうか判断せずにすむ本がおのぞみだ.

もう一方の読者たちは裕福で,たいてい,もっとたくさん本を買って(そして読んで)いる.それどころか,この人たちにとっては,本を買うこと自体が意味のある習慣だ.こちらの人たちは,いまの流行の先端にいたいとのぞんでいて,流行りの本のなかでも「今年のベスト」になる本ならなんでも読んでおきたいと思っている.本の質が不確かな場合に,この人たちは品質で調整した事実上より高い単価を払うことになる.あらかじめ本を味見しておけないときには,いくらか「外れ」を買うはめになる.「当たり」ばかり買うわけにはいかない.

こうして,シュリンクをかけた本は後者の読者たちからより多くの剰余を引き出す一方で,前者の読者たちもそんなに怖じ気づかせない.ここでの一般的な要点は,バンドルの経済分析やブロック予約の分析に関連している――ほしいモノを手に入れたければ,ひと括りになった品々をまるごと買わないといけない売り方の分析に関連してる.

購入前にシュリンクをとって中身を覗いてみても書店側は気にしないんだろうか? もしかして,書店員たちはそのへん無関心じゃないかと思うけど,書店チェーンの CEO はどうだろう? 出版社は? 著者は? 誰かこれのモデルをつくってくれないかな.

あるいは,もしかして,とにかくメキシコの書店はそうすることになっているだけなのかもね.


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