Tyler Cowen “Is it inefficient to walk up the escalator?” Marginal Revolution, September 29, 2019
ロンドンでのとある調査によれば,74.9%の人は歩くよりも立ち止まることを選び,このことは特にエスカレーターが長いほど顕著だ。この「右側は立ち止まる用,左側は歩く用」ルールのせいで,通勤者の約25%の人に50%のスペースを与えていることになる。
ここで,ラッシュアワーで「立ち止まる用」の側にエスカレーターに乗ろうとしている人が列をなしている場合を考えてみよう。これは直観に反するように見えるかもしれないが,通勤時間を減らそうとしてエスカレーターを歩く人たちは,実のところそれ以外の全員を遅れさせているのだ。
効率性を脇においても,エスカレータを歩くことが良くないかもしれない理由がもうひとつある。安全性だ。エスカレーター事故は私たちが考えているよりもずっと身近なものだ。
CBCの調査によれば,モントリオールの地下鉄ではエスカレーター事故が2日に1度の割合で起きている。アメリカでは,毎年約10,000件エスカレーターに関係した怪我で緊急治療室に運び込まれている。
こうした被害者の多くがエスカレーターを歩いていたとみられる。東京でのとある調査では,2013年から2014年にかけて発生したエスカレーター事故の約60%が,歩いたり駆け上がったりといったことを含むエスカレーターの不適切な使用が原因だった。
ミシェル・ドーソン経由で知ったこの記事の全文はこちらから。だがしかし,エスカレーターを歩くことを選ぶ人たちが立ち止まることを選ぶ人たちよりも時間に対してはるかに高い価値をつけているのであれば,エスカレーターで歩くことは効率的になる。実際にそんな場合はありえるかな?