タイラー・コーエン 「武器としての雪崩」(2009年8月12日)

第一次世界大戦中に雪崩(なだれ)が武器として使われたらしい。
画像の出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/26207557

雪崩は、第一次世界大戦中に極めて効果的な武器として使われた。この破壊兵器がどのようにして誕生したかというと、1916年12月にアルプス山脈に雪が大量に積もったのがきっかけだった。雪崩が起きる可能性が高いんじゃないかと噂されていた。その噂通りに大きな雪崩が起きて、(駐屯兵が宿舎として利用していた)バラックを襲った。250人の兵士が命を落とした。その事故を知ったどこかの誰かが思い付いた。雪崩って極めて効果的な武器になるんじゃなかろうか、と。こうして雪崩戦争が幕を開けた。雪崩を起こすには、山肌に砲撃を加えるだけでいい。砲撃を加える位置を調整すれば、狙った方向に雪崩を誘導することもできる。雪崩による死者の正確な数はわかっていないが、両軍(イタリア軍&オーストリア軍)あわせて4万人もの兵士が雪崩で命を落としたと見積もられている。雪崩という名の破壊兵器によって大勢の兵士の命が奪われたわけだが、誰の仕業(しわざ)だったかというと(自然の仕業ではなく)人間の仕業だったのだ。

この説に賛同しているサイトは他にもたくさんある。雪崩で命を落とした兵士の数として6万人という数字を引用しているケースも多いようだ。

このエピソードをどうやって知ったかというと、非常に優れた一冊であるビル・ストリーバー(Bill Streever)の『Cold:Adventures in the World’s Frozen Places』で紹介されていたからだ。一つのトピックに的を絞ったポピュラー・サイエンスというのはオワコンのジャンルのように感じられるかもしれないが、本書のような良書に出会えるチャンスはまだまだあるようだ。


〔原文:“Avalanches as weapons”(Marginal Revolution, August 12, 2009)〕

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