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タイラー・コーエン「世界はストレス下の心理測定を実施中」(2020年3月27日)

[Tyler Cowen, “The world is running a disturbing psychometric test,” Marginal Revolution, March 27, 2020]

小さなお子さんがいる人たちは(それほど小さくないお子さんがいる人たちも)除外して,人々を観察してみよう.今回のパンデミックで生産性が加速してるだろうか,それとも,生産性がガタガタになってるだろうか.そこを見れば,その人がストレスにどう対処できるかを計る物差しになる.それに,苦しい状況ですばやく適応して仕事を進める必要がある大きなプロジェクトやスタートアップをやろうというとき,その人が信頼できるかどうかをはかる物差しにもなる.

中止になってしまったロシアのチェス世界選手権大会を考えてみよう.今回有望視されていた Ling Diren と Fabiano Caruana のうち,Diren はトーナメント前半で3試合で負けた.これは,極度のストレス下で彼がうまくチェスを差せない証拠になっている.それでも,彼は世界3位につけている.「パンデミックレベルのストレスではないけれど世界チェス大会レベルの競争ストレス」という条件下でチェスを指してきた経歴のたまものだ.

Grischuk は開催中になってもトーナメントを中止すべきだと言っていた.おそらく彼の言い分は正しい.でも,かりにトーナメントが続行になっていたとしたら,彼が1位になったとみんなは予想するだろうか? Caruana(アメリカ人)は,トーナメント終了後に帰宅できなくなるかもしれないと心配していた.彼の指しぶりは悪くなかったけど普段の精彩は欠いていた.少なくとも,世界ランク2位の指しぶりではなかった.有望視こそされていなかったけれど堅実な Nepomniachtchi は3試合に勝利しつつも,黒駒でワイナウアー・ディフェンスをやるという賢明ではない選択をした.それでも,彼が明らかに優勢だった.これをみて,彼についての見解をどう修正すべきだろう?

ある友人が,こんな文章を書き送ってきた:

この2週間で論文を4本投稿したよ.修正・再投稿の2本をやっつけて送り返して,新しいのを2本送ったところ.あともう一息で終わるのが2本ある.それがすんだら,頭がどうかしちゃうかもしれない.執筆にはげむことで,ストレスを抑えていくらか正気になってる.Twitter で,仕事をやっつけてる組と,ずっと狼狽しっぱなしでいる組にわかれてるのが見えるよね.

『ニューヨークタイムズ』のコラムで,ディヴィッド・ブルックスがみんなの生活の送り方について考察してる

こうして,心理測定テストが実施中だ.テスト対象には,みんなの組織・地域・国も含まれる.どうなるか見ていこう.


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