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タイラー・コーエン「資本注入して延命させるとしたら?」(2021年8月31日)

Tyler Cowen “The capital life extension queryMarginal Revolution, August 31, 2021

アルジャン・ナラヤンのコメントより:

このブログの読者とタイラーの記事1 の別バージョンについて考えてたんだけど、あまりにも早く資本を使い果たしてしまった人や団体に(彼らがその生涯で備えた資本と)同じだけの額の資本をさらに与える力があったとしたら、誰を選ぶ?

反事実的な想定をしてみると分かりやすいと思う。イーロン・マスクは2008年にほとんどのお金を使い果たして、ダイムラーによって救済された。これがなければいくつかの面では今よりもずっと悪いことになっていただろう(リチウムイオンの生産だけでなく、全ての自動車会社が輸送の電力化問題にこれだけ切迫感をもって取り組むこともなかった)。時をさかのぼって同様に救済すべきは誰だろう?

僕の答えは、破産してしまったニューヨーク市地下鉄を作った企業たち、BMT、IRT、IND2 だ。1940年に市が買収して以来、建設は一世代にもわたって遅延して、それ以来一切インフラは建設されていていない。今後ニューヨーク市でまたインフラが建設されるかは分からない。僕が思うには、建設を行うべき唯一の時と場所はその当時のニューヨーク市だったことは明らかで、できる時に最大限「過剰建設」しておくべきだったんだよ。

社会に対するリターンについて言えば、(速度、距離、頻度で見て)10%効率化した地下鉄サービスの価値はどれだけだろう?20%、50%では?そうすればもっと多くの人を受け入れることができただろうし(自分の近所に人が増えてほしくはないけど)、アメリカ最大の都市であることを考えれば、集積効果からすればニューヨークが一番効果の高い場所だ。

タイラーの答えがどんなものか楽しみだよ!

もっとうまい答えは、軍事的なシナリオにまで手を広げない限りは思いつかないな。景気の話も含めていいのであれば、1929年から1932年の銀行を救済するのにもっとお金をつぎ込むのはどうだろう。ヒトラー登場以前のドイツのデフレを抑えるために資金を投入したり、あるいはワイマール政府を救済することでハイパーインフレとその後の社会崩壊が発生しないようにするのはどうかな。でもこうした可能性は最初の質問の範囲外ということにしておこう。

現金を注入しさえすれば、Intelは高品質半導体チップ市場での活躍と成功を続けられていただろうか。ちょっと怪しいね。有力なワクチン候補として2020年から2021年にかけてNovavaxにもっとお金を入れていたら?彼らがその非常に重要な科学技術を実際の製品に変えるのにどれだけ時間を要したかを考えれば、世界全体が大いに助かっていたかもしれない。

  1. 訳注;若くして死んだ芸術家を延命させるとしたら、誰が一番生産性の観点から適切かという趣旨の記事 []
  2. 訳注;現在のニューヨーク市地下鉄は、民営のIRT(Interborough Rapid Transit Company)、BMT(Brooklyn–Manhattan Transit Corporation)がニューヨーク市に売却され、市営のIND(Independent Subway System)に統合されたのが基になっている。 []

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