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タイラー・コーエン「隔離生活で地位追求はどう変わる?」(2020年4月6日)

[Tyler Cowen, “How does isolation change status-seeking?” Marginal Revolution April 6, 2020]

――というのが,『ブルームバーグ』の新コラムの話題だ.抜粋しよう:

都市封鎖のさなかに地位追求行動は急速に減る.その点でも,都市封鎖は刮目すべきでもあり恐ろしくもある社会実験だ.おこりうる帰結をひとつ挙げると,多くの人たちが以前ほど働かなくなりそうだ.働く様子を間近で見る人が誰もいなくなるし,余分にがんばったところで「がんばってるね」と褒めてもらったり「おつかれさま」と優しい声をかけてもらったりしにくくなるからだ.

さらに悪いことがある.多くの人たちにとって,経済的な苦難があっても周りの人たちからの賞賛があれば埋め合わせになるものだ.ところが,いまはその埋め合わせが弱くなっている.以前なら,たとえ失業していても,街に出かけたときにイケてるアイテムを身につけていたりかっこいい髪型をキメていたり機知に富んだやりとりをしたりすれば人々の注目を浴びることができた.いま,街に出かけてみたって印象づける相手が誰もいない.

いまアメリカ人は,他人の心を動かすのに外見やカリスマや喋りのうまさを自分たちがどれだけ当てにしているか自覚しつつある.ソニア・ガルパが Twitter で問いかけているように:「最高に魅力的なみなさんに,嫌みじゃなく本心から聞いてみたいんだけど――きっとみなさんはこれまで当たり前のように世間の注目を集めてきたんじゃないですかね.引きこもりと隔離を余儀なくされて,そういう注目がなくなってしまって,いまどんな感じです?」

(…)ある程度は,この地位の崩壊は解放でもある.常々繰り返される「本当に大事なこと」をめぐる問いを,これで多くの人たちは再検討することになるかもしれない.他にも,プラスの影響はある:たとえば,仲間・同僚に関係した理由で出かけてお金を使うことは減る(「あの新しいジャケットってほんとに必要?」「新しくできた流行りのレストランに行ってみる必要なんてある?」).すると,サイフの紐を引き締める助けになるだろうし,失業ですら耐えやすくなりそうだ.人付き合いに不安を覚える人たちにしてみれば,前よりよくなったと感じるかもしれない.

とはいえ,全体としていまの状況は危険なものではあるけれど.

リンク先にはもっといろいろ書いてるよ.


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