経済学101は主に皆様の寄付によって賄われています。温かい支援をお待ちしています

タイラー・コーエン 「『我が陣営は劣勢に立たされている』 ~焦燥感をにじませる左右両陣営~」(2016年3月22日)

●Tyler Cowen, “How both sides can believe they are losing”(Marginal Revolution, March 22, 2016)


近時の社会情勢に対する左派なりの回顧にしても右派なりの回顧にしても、その物言いには「我が陣営は劣勢に立たされている」との焦燥感がにじんでいるという共通点がある。「そんなの額面通りに受け取れるか。マーケティング戦略の一環に過ぎない」との反論も可能だろう。優勢な陣営の人間が書く本をわざわざ読もうという気になるだろうか? 優勢な側の関連組織に寄付でもして支援してやろうという気になるだろうか?

だがしかし、どちらの陣営も(左派も右派も)本気で「我が陣営は劣勢に立たされている」と信じ込んでいる可能性もあるのではないか。私にはそう思われるのだ。

まずは左派の思考回路を解剖するとこうだ。政府は世の問題を解決する能力を備えている(左派による大前提)。にもかかわらず、世の中を見回すとあちこちに問題が溢れている。「我が陣営が劣勢に立たされている何よりの証拠じゃないか!」1・・・となるわけだ。

次に右派の思考回路を解剖するとこうだ。政府は問題を引き起こす元凶だ(右派による大前提)。ところで、世の中を見回すとあちこちに問題が溢れている。「我が陣営が劣勢に立たされている何よりの証拠じゃないか!」2・・・となるわけだ。

・・・と語るのはアーノルド・クリング(Arnold Kling)

  1. 訳注;世の中に問題が溢れているのは「問題解決人」たる政府を引っ張り出すことができていないためであり、政府の出動を求める我が陣営の主張が聞き入れられていない証拠だ、という意味。 []
  2. 訳注;世の中に問題が溢れているのは「問題の元凶」たる政府が好き放題しているためであり、政府の手を縛ることを求める我が陣営の主張が聞き入れられていない証拠だ、という意味。 []

コメントを残す