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タイラー・コーエン 「ノーベル賞の権威に陰りが見えつつある?」(2020年10月11日)

●Tyler Cowen, “Are Nobel Prizes worth less these days?”(Marginal Revolution, October 11, 2020)


どうやらそのようだね。受賞者もたくさんいるしね1ブルームバークに寄稿したばかりのコラムの一部を以下に引用しておこう。

今年のノーベル平和賞は、国連(国際連合)の機関である世界食糧計画(World Food Programme)に授与されたが、グローバル開発センター(Center for Global Development)――その方面では名の知られた有数のシンクタンク――が作成している「援助効果」ランキングによると、世界食糧計画は(途上国の援助に取り組んでいる計40の組織のうちで)最下位という結果になっている。ウィリアム・イースタリー(William Easterly)&トビアス・プフッツェ(Tobias Pfutze)の二人による2008年の研究(pdf)でも、世界食糧計画には手厳しい評価が下されている。

この件に関して特筆すべきは、ノーベル賞委員会が判断を誤ったかもしれないってことではなく、誰も気にもかけてないようだってことだ。世界食料計画の成果に疑問を呈する声がツイッターの一部で上がっているものの、大きな論争を巻き起こすまでにはなっていないのだ。

私もツイッターでノーベル賞受賞者を何人かフォローしているが、その面々の全体的な印象として、20代(あるいはそれ以下)の若者よりも気まぐれ屋に見える。そのこともノーベル賞の威光を弱めることになっているかもしれない(この点について詳しくは、コラムを参照してほしい)。マーティン・グッリ(Martin Gurri)の言う通りってわけだ。

もう一丁引用しておこう。

インターネットは、別のかたちでも賞のインパクトを弱める方向に働いている。ポール・ローマー(Paul Romer)のケースがいい例だ。「チャーター都市」構想をはじめとして、ローマーのアイデアの多くについては、2018年に彼がノーベル経済学賞を受賞(文句なしで受賞)するよりもずっと前から(10年近くは)、ネット上で盛んに論じられていた。ブログだったり、ツイッターだったり、Medium(ミディアム)だったりで。ネット上でその議論を追っていた誰もが、「ローマーはそのうちノーベル経済学賞を受賞するだろう」と予想していたが、2018年になってローマーに実際に賞が授与されると、「今頃になってか」と拍子抜けしたものだ。労働経済学者であるデビッド・カード(David Card)が(おそらくは共同研究者と一緒に)今年のノーベル経済学賞を受賞することになったとしたら(その可能性はありそうだが)、同じような反応(「今頃になってか」)になることだろう。

ちなみに、今年のノーベル経済学賞は「カードと誰かの共同受賞」というのが私の予想だ。

  1. 訳注;受賞者の数が年々積み上がるのに伴って、賞の特別感が薄れていっている、という意味。 []

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