タイラー・コーエン 「ビジネス経験を有する政治指導者は『ただ乗り』しがち? ~国際公共財の一種たる集団安全保障を例に~」(2020年1月24日)

●Tyler Cowen, “Are political leaders with a business background any different?”(Marginal Revolution, January 24, 2020)


・・・(略)・・・ビジネス経験を有する政治指導者は、集団安全保障への協力を渋りがちとの仮説が浮かび上がってくることになるが、なぜそうなのかというと、利己的だからというのがまず一つ目の理由。〔自己効力感(セルフ・エフィカシー)が高く、それゆえ、〕(集団安全保障への協力を怠っていたとしても)いざという時は同盟国に頼れる(自国を守るために同盟国を説得して助太刀してもらうように持っていけるだけの力が自分にはある)と信じて疑わない傾向にあるからというのが二つ目の理由である。NATO(北大西洋条約機構)への加盟国のうち、アメリカを除く17カ国の1952年から2014年までの防衛費のデータを分析したところ、件の仮説と整合的な実証結果が得られた。ビジネス経験を有する政治指導者は、ビジネス経験の無い政治指導者に比べると、効用の最大化に向けて利己的に振る舞う可能性が高い。本稿で得られた分析結果はそう示唆している。

論文のリンクはこちら。論文の著者はマシュー・ファーマン(Matthew Fuhrmann)。かの情報通たるケビン・ルイス経由で知ったもの。

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