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タイラー・コーエン 「女性がフィクションを好んで読むのはなぜ?」(2003年12月3日)

●Tyler Cowen, “Why do women read more fiction?”(Marginal Revolution, December 3, 2003)


男性よりも女性の方がフィクションを買って読む量は多いようだ。それはなぜなのか? その理由を進化生物学的な観点からうまいこと説明できないものだろうか? 昨日のエントリー〔拙訳はこちら〕でそう問いかけたわけだが、ファビオ・ロハス(Fabio Rojas)から次のような回答が寄せられた。

(a) 夢(睡眠中に見る夢)だったり、演劇だったり、物語だったりというのは、何らの危険も伴わずに、情操や対人スキルを磨く機会を用意してくれる。時としてそのように考えられています。実社会での人間関係にはいざこざが付き物ですが、夢や演劇や物語の中の「架空の社会」であれば、何の懸念もなしに他者と関わる(社会生活を追体験する)機会が持てるというわけです。

(b) どうやら女性は、集団での人付き合い(社交)に力を注いでいるようです。それには進化生物学的な根拠があるに違いないと思います。

(c) 社交のスペシャリストたる女性は、文学や物語を通じて人付き合いに必要なスキルを涵養しようとしている。そう言えそうです。

ジョン・パスケット(John Paschetto)からは次のようなコメントが寄せられた。

かつてフィラデルフィアまで電車で通勤していたことがあるのですが、車内にいる男性のほぼ全員が新聞を読んでいたものです。女性はどうだったかというと、ほぼ全員がペーパーバック(の小説)を読んでいたものです。

私の教え子の一人であるErteの意見も紹介しておくことにすると、男性は女性よりも強靭な肉体を保つ進化生物学上の必要があるために、読書に後ろ向きなんじゃないか、ということだ。静かに読書するよりは、アクティブに過ごそうとする(例えば、スポーツに励んだりして体を積極的に動かそうとする)というわけだ。

私見:三者ともに鋭い指摘だ。私なりに何点か付け加えさせてもらうと、男性がいざフィクションを買うとなると、アドベンチャー物(例えば、トム・クムランシーの小説)を選びがちなようだ。さらには、男性は、仲間内で一目置かれる活動に努力を注ぐ(時間を割く)傾向にあるのかもしれない。小説を読むというのは、おそらくそのような活動には含まれていないのだろう。ところで、女性の読書量が増えるのは、子育てが後半戦に入ったあたりから1というのはなぜなのだろうか? 我が子が小さいうちは育児で忙しくて読書の時間がとれないというのも勿論あるだろうが、進化生物学的な観点から何とか説明をつけようとするのであれば、この疑問についても難なく答えられるようなものであって欲しいものだ。中高年の女性は、対人関係のネットワークへの理解を深めることに何かしらの特別な関心でも持っていたりするんだろうか?

  1. 訳注;「フィクションの購入層の6割以上を占めているのは女性。それも、その大半は35歳~55歳の女性」という前回のエントリーでの指摘を踏まえての発言と思われる。 []

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