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ポール・クルーグマン「ドルの美徳で罰を受けるのかい?」

Paul Krugman “Punished for the Dollar’s Virtue?” Krugman & Co., October 20, 2014.
[“Punished for the Dollar’s Virtue?” The Conscience of a Liberal, October 7, 2014.]


ドルの美徳で罰を受けるのかい?

by ポール・クルーグマン

ジャレド・バーンスタインと意見が異なることは滅多にないし,彼が完全雇用・貿易赤字・準備通貨としてのドルの関連について書いた先日のブログポストも,大半については同意見だ.そうだね,アメリカの貿易赤字が長く続いてるのは完全雇用の達成にとって問題だし,「強いドル」政策じゃなくて「弱いドル」政策をとるべきだ.

でも,ドルが準備通貨になってることって,問題の根っこなのかな? 準備通貨の地位は過大評価されてる現象だと,ぼくは長いこと主張してる――実のところ,基軸通貨を発行してる国にとって,その地位はとりたててありがたいことじゃないんだ.雇用問題を脇に置いても,それでも大して便益はないんだよ.でも,長期的な貿易赤字を理解する上で基軸通貨がそんなに大きな問題だとも,ぼくは信じていない.なにより,長期にわたって対外赤字を続けてる国は,べつにぼくらだけじゃないし.

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たしかに,世界中の貯蓄がアメリカに流れ込む要因はあれこれとある――巨大で重要な金融市場がある(し,そのプレイヤーたちは安全な資産に見えるものをつくりだそうとしてる)し,「アメリカは最終的な避難場所だ」という一般的な感覚もある,などなど.でも,イギリスだってそういう要因をたくさんもってるし,実際に,資金流入と赤字の履歴もアメリカと似通ってる.他方で,オーストラリアはすごく長いこと巨額の対外赤字をつづけてる.

政策問題としては,次の点はこのうえなく重要だと思う――ぼくらは,いまより弱いドルを追求すべきだ.

でも,この問題を基軸通貨の観点で言い直してみても,とくに役立つようには思わないな.

© The New York Times News Service


Comments

  1. 最後の
    I don’t think this matters too much.
    は高校で習う「~してもし過ぎることはない」構文ですね。
    これをクルーグマンはあっさりこういうふうに言ったのでしょう。

    英作文だと
    I think It is not too much to say that this matters.
    と書くのでしょうか。

    「準備通貨のとしての」→「準備通貨としての」

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