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ラジブ・カーン「アルメニア、アゼルバイジャン、トルコ、遺伝的差異」(2020年10月7日)

Armenia, Azerbaijan, Turkey, And Genetics
POSTED ON OCTOBER 7, 2020 BY RAZIB KHAN

最近、何人かに、アルメニア人とトルコ人の遺伝的差異について尋ねられた。以前この話題について書いたことがあるからだ。世相に無関心でないなら、読者はコーカサスで戦争が起こっているのを知っているはずだ。アルメニアとアゼルバイジャンは、数十年に渡って行ってきた紛争を再燃させており、付近の大国に自陣営に付くように選択を迫ることで他国を巻き込んでいる。周辺全てに至って不穏な状況だ。

 

アルメニア人は何者なのだろうか? そして、トルコ人とは? そして、アゼルバイジャン人とは?

アゼルバイジャン人は、西洋ではあまり知られていないが、〔現地では〕大きな揉め事を抱え込んでいる。イランのアゼルバイジャン州には、アゼルバイジャン共和国とほぼ同数のアゼルバイジャン人が住んでいる。そしてイラン国内のアゼルバイジャン人の総数は、独立を果たしているアゼルバイジャン本国の総数より多い。現イランの指導者の父親は、民族的にはアゼルバイジャン人である。アゼルバイジャン人はチュルク語族1 に分類されており、〔イラン国内のアゼルバイジャン人は〕伝統的にイランの軍部を支配してきた。この地域が〔アゼルバイジャン州がオスマン帝国によって統一され〕チュルク語族化される前は、アゼルバイジャン州は500年以上アルバニアと呼ばれていた。〔イラン国内のアゼルバイジャン人〕は母語はイラン語を使用しており、このイラン語はペルシャ語から派生している。

この地方に住んでいる民族は、皆近接しているので、遺伝的にかなり近似しているのは当たり前だ。とはいえ、遺伝的に大きな違いもある。

私のデータセットでは、アルメニア人の数人は、ロシア系遺伝子が混じっている(この数人は、アルメニア人と識別されたF1個体群の可能性が高い)。一方、アゼルバイジャン人で着目すべきは、トルコ人と同じように、東アジアへのシフトが少ないながらも顕著であることだ。これはほぼ間違いなくアゼルバイジャン人が、チュルク語族にルーツを持つ結果である。アゼルバイジャン人のルーツの大部分は、チュルク語族が形成される前にあるが、このルーツ内の少数のチュルク語族のルーツ要素は、東アジアにルーツを持つ遊牧民との同化と通して起こっている。

このチュルク語族のルーツ要素は、アルメニアの西部においても、同様に適用できる。以前の投稿で、私はトルコ民族の祖先の性質について論じているが、一般的に、非チェルク語族要素(東アジア系やトゥラン語族を含む)は、西のギリシャ系、東のアルメニアとクルド系といった初期のバリエーションパターンの反映であるとの説に私は強く同意している。

〔この地域に諸民族的は遺伝子的には強く近似していることは〕今日見られるような紛争が、同系性〔遺伝的ルーツ〕に関するものより、イデオロギーの影響が強いのを示している。アルメニア人は、彼らしか信仰していない東方異端派キリスト教徒だが、キリスト教徒ではある。また、アルメニア人は、古代のインド・ヨーロッパ語を使用し続けている。このことで、アルメニアは、西・東側双方のチェルク語族のイスラム教徒に挟まれており、対立することになっている。しかしながら、どの集団も、共通の祖先を深く共有している。

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  1. 訳注:トルコ共和国、ウズベキスタン、アフガニスタン、新疆ウイグル自治区等で使用されている、ウラルアルタイ語族の下位言語群。 []

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