答えはイエス,らしい:
本研究では,暴力団がよい会計士を雇用できるかどうかを検討する.本研究では,犯罪記録データを用いて,暴力団とつながりのあるイタリア系会計士を特定する.会計士たちが暴力団エコシステムのために行う業務は観察できないが,合法企業の外部モニターとして彼らが行っている業務の全体的な品質を評価することによって,暴力団が「よい」会計士を雇っているかどうかを判定できる.暴力団とつながりのある会計士たちが業務を行っている会計事務所は,暴力団とつながりのない会計士たちの会計事務所という対照群に比べて,監査済み財務諸表の質が高い.こうした発見により,暴力団とのつながりが損失をもたらすリスクがあるにもかかわらず,暴力団がよい会計士たちを雇用できているという証拠が得られる.監査人の選択や監査人の質に影響するかもしれないコーポレートガバナンスの仕組み,暴力団の重役・資金提供者との直接的なつながり,会計監査の専門知識といった他の決定要因や自己選択について統制してもなお,研究結果は変わらず頑強だった.
上記は, Pietro A. Bianchi, Jere R. Francis, Antonio Marra, & Nicola Pecchiari による新しい論文からの引用.via 目利きの Kevin Lewis.