タイラー・コーエン「家族が収監されると正の外部性が生じる場合もあるみたい」(2021年5月2日)

[Tyler Cowen, “Positive externalities through family member incarceration?” Marginal Revolution, May 2, 2021]

この研究結果には驚いたけれど,たぶん,家庭から「腐ったリンゴ」がいなくなることで利得が生じることもあるんだろうね:

毎年,家族の誰かが収監されるのを数百万ものアメリカ人が経験している.本論文では,オハイオ州の行政データ30年分を使用し,無作為に割り当てられる裁判官たちごとに収監の判決を下す傾向がさまざまに異なっているのを利用して,実験に近い手法によって合衆国において親・きょうだいが収監された際に生じる各種の影響を推計する.親が収監された場合には,子供本人のその後に,いくつか重要な項目で有益な影響が生じる.これにより,子供本人が収監される確率は 4.9パーセントポイント低下し,成人してからの居住地域の質も改善する.学力面の成績や10代で子供を産む傾向に関する推計は精密でないものの,プラス・マイナスどちらの方向にも大きな影響が生じることはない.きょうだいが収監された場合も,同様に本人による犯罪活動が低下する.

上記の抜粋は,Samuel Norris, Matthew Pecenco, Jeffrey Weaver の共著で近く AER に出る論文から.Via Ilya Novak. ノア・スミスがこの研究を取り上げた記事はこちら.あと,スウェーデンから得られた関連する研究結果はこちら

Total
5
Shares

コメントを残す

Related Posts