タイラー・コーエン 「ルピー製の剃刀と厚紙製のコイン」(2007年7月13日)

●Tyler Cowen, “All monies are commodity monies”(Marginal Revolution, July 13, 2007)


インド政府の高官が語るところによると、何百万枚もの硬貨が剃刀(かみそり)の刃に変造されて、隣国のバングラデシュに密輸されているという。そのせいで、インド国内の多くの地域で硬貨が大幅に不足する事態になっているというのだ。

この問題の根深さを浮き彫りにする事件がつい先日起きたばかりだ。食料雑貨店を営む店主がカルカッタ警察に逮捕されて、壊れかけのぼろ小屋の中で隠し持たれていた巨大な機械が押収された。店主は、その機械を使って、大量の硬貨を溶かしていたというのだ。

「1ルピー硬貨は、35ルピーの価値があるんです。1ルピー硬貨1枚から剃刀の刃が5~7枚は作れますからね。それを売れば、35ルピーになるんですよ」。逮捕された店主は、警察の調べに対してそう語ったという。

硬貨不足への一時しのぎの対応として、私的通貨(private money)が発行されたりもしているようだ。

硬貨不足に対処するために、アッサム州の北東部にあるティーガーデン(茶園)の中には、従業員への給与の一部を厚紙でできたコインで支払うところも出てきている。

厚紙製のコインの表面には金額が刻み込まれていて、ガーデン内でモノを売買する時の決済手段として使われているという。

詳細はこちらを参照されたい(www.geekpress.com経由)。

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