スタンフォード大学の研究チームが明らかにしたばかりの調査結果によると、調査対象となった国と地域の中で1日の平均歩数が一番少なかったのはインドネシアだったという。インドネシアは、世界で四番目に人口が多い国だが、インドネシア人の1日の平均歩数はわずか3,513歩だったという。
1日の平均歩数が一番多かったのは香港で、6,880歩。二番目に多かったのは中国で、6,189歩。そして、ウクライナ(三位)、日本(四位)、ロシア(五位)が続く格好になっている。111の国と地域の71万7000人が調査対象になっていて、スタンフォード大学の研究チームが設計したスマホのアプリやウェアラブル端末を使って調査対象者に日々の歩行数を記録してもらったという。合計で6,800万日分にも及ぶデータが得られたというが、この方面では史上最大規模の調査らしい。最低でも1,000人以上の調査協力者が得られた国と地域だけに絞って順位付けを行ったという。
インドネシアの首都にあたるジャカルタの人口は約1,000万人。近郊の都市圏も含むと、その数は約3,000万人に上(のぼ)る。ジャカルタではスプロール現象が起きていて、インドネシアを襲う歩行難の象徴的な存在になっている。
現地当局の公式データによると、ジャカルタにある道路の総延長は4,500マイルに達するが、歩道が併設されているのは全体のわずか7%に過ぎない。
ニューヨーク・タイムズ紙に掲載されているジョー・コクラン(Joe Cochrane)の記事より。私の直感とも矛盾しない結果だ。インドも歩きにくいと感じることが時にある。ところで、「活動(歩行)格差」(同国人の間での歩行数のばらつき)が一番大きい国は、アメリカとサウジアラビアとのことだ。
アメリカ国内のあちこちの都市の歩きやすさ(walkability)に関するデータはこちら。ニュージャージー州の海辺の歩きやすさについて論じている記事(「称えらるべき一気飲み」氏に教えてもらった記事)はこちら。
〔原文:“Which are the most and least walkable countries?”(Marginal Revolution, August 21, 2017)〕