タイラー・コーエン 「靴の鉄則」(2012年6月17日)

●Tyler Cowen, “The Iron Law of Shoes”(Marginal Revolution, June 17, 2012)


ダニエル・クライン(Daniel Klein)と一緒になって、「靴の鉄則」(The Iron Law of Shoes)と呼び合っている法則があるのだが、その法則に光を当てた研究があるようだ。Omri Gillath&Angela J. Bahns&Fiona Ge&Christian S. Crandallの四人による共同研究がそれだ。

極めて些細な外見上の特徴であっても、その人の性格なり、身分(社会的な地位)なり、政治信条なりを正確に伝えるヒントとなる。本論文では、見知らぬ相手が日頃よく履いている「靴」だけを頼りにして、第三者がその靴の持ち主の属性をどれだけ正確に予測できるかを調査した。まずはじめに、被験者の一方のグループには、日頃よく履いている靴の写真を持ち寄ってもらい、自らの属性について自己評価してもらった。そして、実験者の側で、靴をいくつかの次元 [1] 訳注;ヒールの高さ、靴の明るさ、色合い、ブランド品かどうか、新しいかどうかなど、計17の次元 に分けて数値化した。その数値と、靴の持ち主による(自分の属性についての)自己評価とを照らし合わせたところ、両者の間には相関が見られることが確認された。次に、被験者のもう一方のグループには、見知らぬ相手が日頃よく履いている靴の写真を見てもらい、その写真だけを頼りにして、その靴の持ち主の属性を予測してもらった。その結果はというと、靴の持ち主の年齢、性別、所得だけでなく、愛着不安 [2] 訳注;恋人をはじめとした親しい相手に、自分のことが軽んじられているのではないかとの不安 の程度に関しても、正確に見通されたのだった。靴は、他人――少なくとも、他人のいくつかの側面――を評価するヒントとなり得るようだ。

論文のタイトルは、“Shoes as a Source of First Impressions”(「第一印象の源泉しての靴」)。情報を寄せてくれた@StreeterRyanに感謝。

References

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1 訳注;ヒールの高さ、靴の明るさ、色合い、ブランド品かどうか、新しいかどうかなど、計17の次元
2 訳注;恋人をはじめとした親しい相手に、自分のことが軽んじられているのではないかとの不安
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