“Does money boost real output? by Tyler Cowen from Marginal Revolution
ここにじっくり考えるべき一文がある:
貨幣が生産にどれくらい影響を与えるか、ということについてはVARモデリングの多様な見方が現れるごとに大きく変動してきた。
この論文の最初の数段落(とここ)を読めばいかにこの問題が微妙なトピックかが分かるだろう。しかもここでは流動性の罠の問題にはまだ触れていないのだ。貨幣の重要性を擁護するもっと最近の論文を読みたければこの論文 [1] … Continue readingを読んでみて欲しい。こっちはもっと懐疑的な見方のもの [2]訳注:リンクがおかしいです。。いずれにせよ読者にこれで納得できる結論に至ると思ってもらっちゃ困る。
デフレ的ショックが害を及ぼすということについてはもっとずっと強い証拠がある:Christina RomerとDavid Romerのこの論文を参照せよ。
大規模な不完全雇用が存在して貨幣への需要が急増しているときには [3]訳注:the demand for money has recently spiked up … Continue reading貨幣量の拡大が有効であることの信ずべき理論的基礎は存在する。しかし理論は予想される雇用に対する影響についてあまり多くを語らない。なぜならここで我々はArnold Klingの指摘(邦訳はここ)に戻ってしまうからだ:
総需要・総供給分析の枠組みのほとんどは労働供給は名目賃金に対して非常に弾力的で、労働需要に対しては実質賃金に弾力的であるという仮説に依存しているのだ。
これがFRBがもういくらかインフレ率を高めることを嫌がる理由のもう一つの可能性である。効果は不明なのに、インフレ率を高めることの官僚的なコストは確実に非常に高いのだ。
所得の下落局面と上昇局面での金融政策の非対称性についてのMark Thomaの見方はここで読める。
結局のところ、何かを元に戻すことよりも、ぶちこわす方が簡単なのだ。