大学では保守派よりリベラルが多いというのは,よく知られた話だ.「ヘテロドクス・アカデミー」のサム・エイブラムスが,典型的なデータを提示している:
大学組織でのリベラル-保守の比率は,1995年にはだいたい2対1だった.2004年までには,その数字がほぼ3対1にまで飛躍した.つまらない変化に思えるかも知れないが,これは,大学キャンパス内で保守を自認する人々が50パーセント減少したということだ.2004年以後,この比率はさらに激変して,2010年には全米で5対1に近づいている.このことから,我が国における学習と社会的変化の中心地で政治的多様性が減少していることがわかる.
これよりいっそう驚きなのは,この国のとある地域で,このちがいがどれほど極端になっているかという点だ.その地域とは,ニューイングランド.コネティカット,メーン,マサチューセッツ,ニューハンプシャー州,ロードアイランド,ヴァーモントの大学で,リベラルと保守の比率は,25対1を超えている.
下の図をみてもらうと,リベラルと保守の比率をニューイングランドとそれ以外の地域とで示してある.底のあたりを走っている緑の線は,人口全体での比率を示す.各地の大学は人口全体ほど均衡がとれていないけれど,ニューイングランドはもはやヨソの国のようだ.
保守的な教授たちは,差別に直面しているんだろうか? 大学の擁護者たちは,かなり説得力をもって(でもこれと比べてごらん),こう主張する――「大学教授というのは人口全般よりもリベラルになりがちですけど,でも,それは差別のせいではなくて,教育・所得・社会階層といった要因のためですよ.大学教授になりたい人たちがリベラルになりがちだからといって大学を責めるのはお門違いというものでしょう.」 でも,リベラルと保守の比率が地理で大きく異なることから見て,それで話がおしまいというわけではないかもしれない.なんとなく,もしニューイングランドでの仕事を提示されたら,保守的な教授たちもけっこう嬉々としてこの地域に移り住んで働くんじゃないかなって気がする.