大勢が名を連ねている――有名どころを挙げておくと、ジョセフ・ヘンリック(Joseph Henrich)も共著者の一人に名を連ねている――こちらの論文で、異なる国の間の「文化差(文化的な隔たり)」の計測が試みられている。その結果の一部を以下に転載しておこう(さらに詳しい結果については、論文の25~27ページを参照)。数値が大きいほど、文化的な隔たりが大きいことを意味している。
アメリカとの「文化的な隔たり」
アルジェリア:0.138
オーストラリア:0.035
ブラジル:0.072
カナダ:0.026
中国:0.150
エクアドル:0.109
エジプト:0.234
エチオピア:0.130
ジョージア(旧グルジア):0.143
香港:0.090
インドネシア:0.178
日本:0.115
マレーシア:0.125
ナイジェリア:0.130
スイス:0.068
文化的な隔たりが大きいという意味で「遠い」という表現を使うなら、アメリカから一番遠い国はエジプトで、その次に遠いのはイエメン。それとは反対に、アメリカに一番「近い」(文化的に一番似通っている)国はカナダということらしい。
中国との「文化的な隔たり」
イギリス:0.172
香港:0.085
日本:0.118
ロシア:0.089(そんなに隔たってないみたいだね)
台湾:0.092
ベトナム:0.057
全体的な傾向としては、アメリカよりも中国の方が他の国との(文化的な)隔たりが大きいようだ。重要なわりにあまり論じられていない問題と言えよう。例えば、アメリカと香港との文化差(文化的な隔たり)は、中国と香港との文化差(文化的な隔たり)と同じくらいらしいのだ。
〔原文:“Measures of cultural distance”(Marginal Revolution, December 17, 2018)〕