タイラー・コーエン 「『公共財の私的供給』の例としてのブログ」(2003年10月13日)

●Tyler Cowen, “Blogs and the private production of public goods”(Marginal Revolution, October 13, 2003)


ブログというのは、「(知識という名の)公共財の私的供給」の注目すべき例の一つだ。

ブログの書き手(ブロガー)は、モチベーションも高くて、豊かな素養の持ち主であることもしばしばだ。ブログでは、ありとあらゆる問題について意見やコメントが加えられる。それも、瞬時かつタイムリーなかたちで。しかしながら、その対価として金銭的な報酬を得ているブロガーは稀だ。「知への愛」が動機になっているブロガーもいれば、まずは名前を売っておいてその知名度を梃子(てこ)に後々お金を儲けようという魂胆のブロガーもいることだろう。現在(2003年現在)までに、400万を超える数のブログが開設されているという。

しかしながら、予想通りと言うべきか、ブロガーのすべてが(知識というの名の)公共財の供給に黙々と励んでいるわけではない。率直に言って、ブロガーの多くは「怠け者」なのだ。最新の研究結果によると、

全ブログのうちおよそ4分の1は、開設してたった1日で(開設された次の日から)放置される。男女を比べると、男性のほうが飽きる(ブログを放置する)のが若干早く、女性のほうがブログの開設に踏み切る傾向が若干高い。年齢に着目すると、全体の90%を上回るブログが30歳未満の人物によって開設されている。放置されていないブログに話を限ると、ブログの更新頻度は平均すると14日(2週間)に1回というペースでしかない。

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