●Tyler Cowen, “Career advice from Richard Thaler”(Marginal Revolution, January 23, 2013)
学者に成り立ての若手研究者に向けて私なりにアドバイスを送るとするなら、・・・(略)・・・指導教官から与えられた借り物のアイデアにそっくり乗っかるのではなく、己のうちから湧き上がってくるアイデアに磨きをかける(あるいは、指導教官から与えられたアイデアに自分なりに磨きを加える)べきです。それに加えて、考えるために費やす時間を増やす一方で、読むために費やす時間は抑えるべきです。他人の研究を読むのに時間を費やしすぎると、先行研究にちょっとした捻り(ひねり)を加えようとする方向に思考が向かってしまいがちです。ともかく論文を書き上げてしまって、その後でようやく関連文献を渉猟する――あるいは、こちらの可能性の方がよくある話ですが、書き上げた論文をジャーナルに投稿した後に、査読者にどの文献を読まなきゃならないかを教えてもらう――というのが私なりの戦略です。極端な戦略ではありますが、あれもこれも一つ残らず読み尽くそうと試みるよりはマシです。あとは、誰も手をつけていない話題を見つけて、その話題について一番乗りで論文を書いてやろうと心掛けるべきです。10番目じゃダメです。50番目なんて以ての外(もってのほか)です。
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