タイラー・コーエン 「高級店ほど、冷房の設定温度が低い」(2006年7月6日)

アメリカで夏場に(冷房の設定温度が極端に低くて)一番寒い店は、高級品を扱っている店らしい。
画像の出典:https://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=25442913

・・・(略)・・・ヨーロッパ人の口から頻繁に漏れる不満の一つに、夏場のアメリカの店内は(冷房の設定温度が低すぎて)寒すぎるというのがある。これもまた、文化の違いに端を発する対立だ。アメリカ人は、クールなのが好きなのだ。極度にクールであっても。アメリカで夏場に(冷房の設定温度が極端に低くて)一番寒い店は、高級品を扱っている店であることを明らかにしている調査結果もある [1]訳注;例えば、以下を参照されたい。 ●Allen Salkin (2005), “Shivering for luxury”(New York Times, June 26)/Jaewoo Park&Rhonda Hadi (2020), “Shivering for Status:When … Continue reading。エアコンは必需品なので、贅沢感を届ける(演出する)ためにはエアコンの設定温度を極端に下げる必要があるのだ。

クロタール・ラパイユ(Clotaire Rapaille)の『The Culture Code』より。あちこちの国の文化を楽しげに渉猟(しょうりょう)している一冊だ。例えば、以下のような問いが探られている。フランス人は「誘惑」についてどう考えているか? アメリカがイラクに侵攻したのはなぜなのか? 文化(国)によって金銭的なインセンティブの効き目に違いがあるのはなぜなのか? 自閉症の子供が勉強に手こずるのはなぜなのか? 外国人(異文化)を理解するのがめちゃくちゃ難しいのはなぜなのか?

どれもこれもでっち上げばかりという意見もある。例えば、パブリッシャーズ・ウィークリー誌で、本書について以下のように評されている

ばかばかしい一般化や誇張が散見される。例えば、日本人男性は、「求愛するのが――あるいは、女性を口説くのが――途方もなく下手なようだ」というのだ。

今年(2006年に)読んだノンフィクション作品の中で、心に残るだろう数少ない一冊だ。本のホームページはこちら


〔原文:“Cold stores and high prices: The Culture Code”(Marginal Revolution, July 6, 2006)〕

References

References
1 訳注;例えば、以下を参照されたい。 ●Allen Salkin (2005), “Shivering for luxury”(New York Times, June 26)/Jaewoo Park&Rhonda Hadi (2020), “Shivering for Status:When Cold Temperatures Increase Product Evaluation”(Journal of Consumer Psychology, vol. 30 (2), pp. 314-328;草稿版はこちら(pdf))
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