ヴィンターゲルスト(Ralf Wintergerst)氏によると、新通貨の導入に漕ぎ着けるまでには、最低でも6カ月はかかる傾向にあるという。時には2年かかることもあるという。まずは、紙幣のデザイン(図柄)を決めて、それを描き込まないといけない。次に、偽造を防止するために、透かしを入れたり、特殊なインクを使ったりしないといけない。それぞれの額面の紙幣をどのくらいの枚数刷る必要があるかを見定めないといけない。刷り終わったら、民間の金融機関(銀行)に引き渡さないといけない。
「新しい通貨を無駄なく行き渡らせるにはどうすればいいか。どこでも利用できるようにするにはどうすればいいか。それこそが一番の難題です」と語るのは、クロアチア中央銀行で財務局長を務めるボリス・ラグジュ(Boris Raguz)氏。ユーゴスラビア解体後の1993年に、クロアチアで新通貨である「クーナ」の導入を指揮した人物だ。
マシュー・キャンベル(Matthew Campbell)&アレックス・ウェッブ(Alex Webb)の二人が執筆している記事より。ところで、ギリシャで総勢246名の大学教授が集って声明を出している。どんな内容か予想できるだろうか?
〔原文:“How long does it take to introduce a new currency?”(Marginal Revolution, July 5, 2015)〕