●Tyler Cowen, “Incentives vs. the TSA”(Marginal Revolution, December 31, 2010)
サンフランシスコ国際空港で働く民間の保安員にとって、春と言えばあの季節だ。最高で1500ドルの賞金をかけて、同僚たちを相手に「マーチ・マッドネス」張りのトーナメントでしのぎを削る季節。
「ゲーム」の内容は? 乗客の手荷物の中に、違法な品物や爆発物が潜んでいないか探し出す。(スーツケースなどの)荷物の鍵がなかなか開かなくて困っている乗客を救う(鍵を開けるのを手伝う)。監視カメラに映る大勢の乗客の中から、テロリスト役――今回の訓練では、CAS社の社長であるジェラルド・ベリー(Gerald L. Berry)が直々にその役を務めた――を見つけ出す。
「賞金(ボーナス)は、結構な額になります」とベリー社長。「私たちは、保安員として立派でなきゃいけません。運輸保安庁で働く方々(連邦政府職員)と同等かそれ以上に、立派でなきゃいけません。そのために日々努力していますし、社員たちにやる気を持ってもらうためにインセンティブも与えています」。
どういうわけだか今まで知りもしなかったし、そんなことが可能だとは思ってもいなかった事実もついでに引用しておくとしよう。
米国内の大空港の中には、煩(わずら)わしい手荷物検査に対する国民の怒りの声に応じるために、これまで運輸保安庁(TSA)が担当していた保安検査業務をCAS社のような民間の警備会社に任せようかと検討しているところも出てきている。サンフランシスコ国際空港やカンザスシティ国際空港を含む(米国内の)16の空港では、もう既に(早いところだと2002年から)民間の警備会社に保安検査業務を任せている。
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