タイラー・コーエン 「彼我の距離の計算 ~この国とあの国の『文化的な隔たり』を数値化してみると~」(2018年12月17日)

アメリカと香港との文化差は、中国と香港との文化差と同じくらいらしい。
画像の出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/4648266

大勢が名を連ねている――有名どころを挙げておくと、ジョセフ・ヘンリック(Joseph Henrich)も共著者の一人に名を連ねている――こちらの論文で、異なる国の間の「文化差(文化的な隔たり)」の計測が試みられている。その結果の一部を以下に転載しておこう(さらに詳しい結果については、論文の25~27ページを参照)。数値が大きいほど、文化的な隔たりが大きいことを意味している。

アメリカとの「文化的な隔たり」

アルジェリア:0.138

オーストラリア:0.035

ブラジル:0.072

カナダ:0.026

中国:0.150

エクアドル:0.109

エジプト:0.234

エチオピア:0.130

ジョージア(旧グルジア):0.143

香港:0.090

インドネシア:0.178

日本:0.115

マレーシア:0.125

ナイジェリア:0.130

スイス:0.068

文化的な隔たりが大きいという意味で「遠い」という表現を使うなら、アメリカから一番遠い国はエジプトで、その次に遠いのはイエメン。それとは反対に、アメリカに一番「近い」(文化的に一番似通っている)国はカナダということらしい。

中国との「文化的な隔たり」

イギリス:0.172

香港:0.085

日本:0.118

ロシア:0.089(そんなに隔たってないみたいだね)

台湾:0.092

ベトナム:0.057

全体的な傾向としては、アメリカよりも中国の方が他の国との(文化的な)隔たりが大きいようだ。重要なわりにあまり論じられていない問題と言えよう。例えば、アメリカと香港との文化差(文化的な隔たり)は、中国と香港との文化差(文化的な隔たり)と同じくらいらしいのだ。


〔原文:“Measures of cultural distance”(Marginal Revolution, December 17, 2018)〕

Total
0
Shares

コメントを残す

Related Posts