タイラー・コーエン 「メダルと寿命 ~金メダリストの方が銀メダリストよりも寿命が短い?~」(2018年8月25日)

オリンピックの陸上競技の勝者(金メダリスト)は、敗者(銀メダリスト)よりも先に死ぬ傾向にあるらしい。勝者の方が敗者よりも寿命が1年以上短い傾向にあるというのだ。
画像の出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/22730874

金メダルを獲るよりも、銀メダルに甘んじる方がいい面もあるみたいだ。そう言えるのは、「寿命」についてだけ? それとも、他に何かあったりする?

本稿では、好成績(成功)が健康にいかなる影響を及ぼすかを検証するために、オリンピックの陸上競技の金メダリストと銀メダリストの寿命を比較する。通念とは異なり、勝者(金メダリスト)の方が敗者(銀メダリスト)よりも先に死ぬ傾向にあるようだ。勝者の方が敗者よりも寿命が1年以上短い傾向にあるのだ。引退後の収入やセカンドキャリア(第二の職業)の違いがその一因になっていることを示す有力な証拠が見出されている。敗者は、引退後のセカンドキャリアとして専門職に就きがちで、引退後の収入が勝者よりも多い傾向にあるのだ。勝者の方が先に死ぬ傾向にあるのは、選手時代にトレーニングに打ち込み過ぎて健康を害したせいであることを示す証拠は見出されなかったし、有名になったおかげでライフスタイルが(健康を害するような方向へと)変わったせいであることを示す証拠も見出されなかった。人生における重要な場面での成功や失敗へのその後の対応如何で、健康に対して長引く影響が及ぶかもしれないのだ。

アダム・レイヴ(Adam Leive)の論文のアブストラクト(要旨)より。傑物たるケヴィン・ルイス(Kevin Lewis)経由で知った論文だ。


〔原文:“Olympic gold medals and longevity”(Marginal Revolution, August 25, 2018)〕

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