(SF作家の)フィリップ・K・ディック(Philip K. Dick)が1981年に行った未来予測は以下の通り。
1995年:ごく普通の一般人でもコンピュータに日常的に触れ合うようになる(コンピュータは1980年の時点で既に利用可能)。それに伴い、テレビを受動的に視聴するだけだった民衆が、鋭敏な精神を持った鍛え抜かれた情報処理の専門家に変貌する。
2010年:タキオン(過去に逆行する粒子)を科学情報の運搬手段として利用して、ソ連が過去を変えようと試みる。
ローレンス・スーチン(Lawrence Sutin)編集の『The Shifting Realities of Philip K. Dick::Selected Literary and Philosophical Writings』(邦訳『フィリップ・K・ディックのすべて:ノンフィクション集成』)より引用。
———————————————————————–
1931年の11月に、マクリーンズ・マガジンに「50年後の未来」(“Fifty Years Hence”)と題されたチャーチルのエッセイが掲載された。チャーチルの未来予測には馬鹿げたものもいくつか混じっているが――例えば、50年後の未来では、鶏を丸々一羽育てるなんてことはせずに、鶏の部位のうちでみんなが食べたいと思う部位だけが育てられるようになると予測されている――、驚くほど正確な予測もいくつかある。そのうちの一つが「無線電話と無線テレビ」だ。
アンドルー・ロバーツ(Andrew Roberts)の優れた一冊である『Churchill:Walking with Destiny』(『チャーチル評伝:宿命を背負いて』)より引用。50年後の未来予測が外れるのは当然と言えば当然だ。上で言及されているチャーチルのエッセイはこちら。
〔原文:“Philip K. Dick predicts the future”(Marginal Revolution, September 26, 2019)/“Hey, wait a minute!”(Marginal Revolution, November 12, 2018)〕