●Tyler Cowen, “The infinitely bad sneeze”(Marginal Revolution, April 10, 2008)
Zack から次のような意見が寄せられた。
あなたは空港にいて、今まさに(保安検査場にある)セキュリティゲートを通過しようとしているとします。ちょうどその時です。くしゃみが出てしまって、ゲートを通過するのが2秒遅れてしまいました。「2秒の遅れ」を被(こうむ)るのは、あなた一人だけじゃありません。「2秒の遅れ」は、あなたの後ろに並んでいた「みんな」にも降りかかることになります。あなたがくしゃみをしたその瞬間にはまだ並んでいなかったけれど、これから列に並ぶ「みんな」にも降りかかることになります。セキュリティゲートに並ぶ列が途切れることはないと想定すると――大きな空港だと、午前3時になっても列は途切れません――、「あなたのくしゃみ」が生み出す「時間の無駄」は、(「みんな」の分を足し合わせると)それはもう莫大なものになるでしょう。
セキュリティゲートに並ぶ列もいつかは(午前4時には?)途切れるので、くしゃみが生み出す「時間の無駄」は無限大にはならないと思う。無限大になるような状況というのはあり得るだろうか? 「時間の無駄」が無限大になる状況が仮にあるとしたら、無限大の無駄(損失)を生まないようにするために、あなたはどんな義務を負うべきだろうか? (くしゃみをしないために)鼻を切り落とすべき? この問題について哲学的に突っ込んで考えてみたいようなら、こちらの論争から何らかのヒントが得られるかもしれない。