全米安全評議会(NSC)の発表によると、2020年に交通事故(自動車事故)で死亡した人の数が速報値で4万2060人に達する見込みという。2007年以降で最多となる模様で、前年(2019年)比で8%増になるという。新型コロナの影響で車が運転される機会が大きく減っている――全米における車の総走行距離は前年よりも13%減っている――にもかかわらずだ。(走行距離1億マイルあたりの死亡者数で測った)死亡率だと、前年比で24%増を記録。24%増というのは、NSCが1924年にデータの収集を開始して以来――過去96年の間で――最大の伸び率である。
全文はこちら。ここでもまた、 我が国のストレス耐性が試されているようだ。情報を寄せてくれた Nick A. に感謝。
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(新型コロナの影響で車の交通量が減ったおかげで)道路が広々として空(す)いていて、そのことが危険なスピードでの運転を許してしまうのに一役買っているようだとのことだが、現実と予測のズレが一番大きいのは、どういうわけだか、夜間に起きた交通事故での死亡者数をめぐってだという。夜間と言えば、大抵の道路が空いている時間帯だが、それはコロナ禍前も同じで、コロナ禍の最中だけに限られる話じゃない。
午後10時から(翌日の)午前1時59分までの時間帯に起きた交通事故で死亡した人の数は、予測値(モデルから導かれる予測値)を22%近く上回っているという。それとは対照的に、朝のラッシュ時に起きた交通事故で死亡した人の数は、予測値を6.3%下回っている。夕方のラッシュ時に起きた交通事故での死亡者数に関しては、「現実と予測との間に大きな差はない」という。
・・・(略)・・・2020年には、ひき逃げの件数も増えていて、予測値を31.2%上回っているという。
・・・(略)・・・アメリカ自動車協会(AAA)のコメントによると、 「2020年の5月から12月までの期間に関して言うと、交通死亡事故の実測値と予測値の差の約70%を生み出しているのは40歳未満の男性ドライバー」だという。AAAの上級研究員を務めるブライアン・テフト(Brian Tefft)氏によると、新型コロナの影響で外出を控える動きが広がっている中、一部の血気盛んな若い男性ドライバーが路上で危険を冒すのを辞さずにいて、そのせいで交通死亡事故が増えているのではないかという。しかしながら、彼ら(一部の若い男性ドライバー)が危険を冒すのを辞さずにいるのはなぜなのかとなると、手元にあるデータだけではその答えは明確にならないという。
全文はこちら。上に引用したのはほんの一部だが、別の箇所でも興味深い指摘がなされている。
〔原文:“The traffic impact of Covid”(Marginal Revolution, March 5, 2021)/“What we know about road deaths during the pandemic”(Marginal Revolution, January 10, 2023 )〕