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アレックス・タバロック「人件費が安いとこうなる:インド編」

[Alex Tabarrok “When Labor is Cheap,” Marginal Revolution, April 22, 2017]

インドの人件費は安い.そのため,なにかとアメリカと事情がちがう場合がある.

インドでタクシーをつかまえてレストランに行ったとき,最初の2回くらいはびっくりした.運転手が,「ここで待ってましょうか」と尋ねてきたんだ.アメリカでレストランの外にタクシーを待たせたら,しゃれにならない費用になるだろう.だが,インドでは運転手が1時間 1.50ドルでよろこんで待っていてくれる.いまだにこれには当惑する.

物理的な資本である自動車はインドでもアメリカでもだいたい似たようなコストだ.運賃が安上がりだということは,タクシー代にしめる運転手のコストがどれくらいかの例証でもあるし,運転手のいらない自動運転車ができたら移動コストがどれくらい下がるかを示してもいる.

あと,なんでも宅配してくれる.

モールでもホテルでもアパートでもお金持ち向けの店舗でも,かならず警備がいる.といっても,ぜんぶハッタリだ〔いかにも警備を厳重にやっているような印象を与えているにすぎない〕 ――インドはアメリカほど危険じゃない――けれど,なにしろ1時間1ドル~2ドルでできるのだったら,「じゃあやろうか」となるだろう.

オフィスは1日24時間,週7日ずっとあいていることがある.べつに,誰かがオフィスにいるわけではなくて,24時間ずっと警備されているなら,いちいち戸締まりする理由もないからオフィスが物理的に開けっ放しになっているだけだ.

どこの店でも,店員は有り余っている.これが不可解で,というのも店員が大勢いる結果としてサービスが悪化しているのだ.たとえば,ごく小さなお店ですら,店員が支払い票を書くと,それをべつの店員に渡して会計をやったりする.おそらく,店員に窃盗をさせないために店のオーナーがとった対策なのだろう.つまり,こうしておけば店からちょろまかすには店員2人が結託しなくてはならなくなる.

オフィスでは,清掃員が常勤で雇われている.おかげで,週に1回か2回どころではなく,1時間に1回か2回姿を現して清掃していく.過剰に(?)民間の空間が清掃されていることで,民間の清潔ぶりと公共の汚らしさの対比が際立っている.


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