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スコット・サムナー「資本所得への課税は労働所得よりも重い」

Scott Sumner “Capital income is taxed more heavily than wage income” (TheMoneyIllusion, April 24, 2014)


(以下はEconlogに載せたより長い記事のフォローアップだ)

確かに、資本所得の「公式な」最高税率は労働所得よりも低いけれども、財政学で何よりもまず始めに学ばなければいけないことは、見かけは偽りでありうるということだ。税の経済的な帰着は、しばしば法律上の税の帰着とは大きく異なる。

ロバート・ソローの最近の書評1 を読んでいる際、髪を掻き毟りたくたくなるような主張に出くわしてしまった。

我々は政治的な理由によって、十分なレベルの不動産税すら保つことができない2 。もしそれが可能であるならば、それは妥当な出発点となることだろう。もちろん、資本からの所得に有利な現在の税制とは異なる、より強く累進的な所得税については言うまでもない。

ソローは素晴らしい経済学者で、事実ノーベル賞も受賞している。だがこれは経済学101レベルの間違いだ。この類の馬鹿げたことを目にする機会があまりにも多いので、幻覚でも見ているのかという気になる。私が院を卒業した後に標準的な課税理論がひっくり返ってしまったなんてことはありうるんだろうか。財政学を取ったことのない読者のために、直観的に分かる単純な例をお見せしよう。

私は100ドルの労働所得を得ており、50%の労働所得税と20%の資本所得税を課せられている。選択肢としては2つあり、今日お金を使ってしまうか、14年間貯金しておくかだ。この14年間という期間は(金利を5%とした場合に)お金が2倍になる期間だ。私は資本所得について20%の税金を支払う。さて、この2つの選択肢を検討してみよう。

A.今日お金を使ってしまう:50ドルの消費 VS 100ドル(非課税の場合)
B.14年間しておく:90ドルの消費 VS 200ドル(非課税の場合)

Aの場合には、50%の税率に直面する一方、Bの場合では55%だ。この類の税制が資本からの所得に対してどのように「有利」なのか、誰か説明してくれるとありがたいのだが。

口に出すとほぼ瞬間的にその人のIQを5ポイント下げてしまう用語がある。すなわち、バブル、近隣窮乏化、インフレーション、それに値する(deserve)、内生的貨幣、格差だ。「所得」もこのリストに追加すべきだ。

まともな経済学は消費を扱う。「所得」について話すのは、毎年カリフォルニアではどれだけの「果実」が生産されるかについて、メロンとブルーベリーを「ひとつの果実」として数えて話すのと同じくらい馬鹿げている。やってられないね。

追記:もちろんこれは氷山のほんの一角だ。企業の収入は3重に課税されている。利子所得はインフレ調整されていないし、格差のデータは歪んでいるし、等々。

追追記:インフレについてだけ話したっけ?あ、もっと悪いことに” i “で始まる単語4つ3 全部をひとつの文で使ってしまってるな。私のIQの推定値から20ポイント引いておいてくれればありがたい。

  1. 訳注;本サイトでも度々紹介している、トマ・ピケティ「21世紀の資本論」についての書評。 []
  2. 訳注;アメリカの連邦不動産税は2010年に一度廃止され、2011年から復活しているものの免税範囲は年々引き上げられており(2004年は150万ドルだったものが、2014年には534万ドルになっている)、こうしたことを指していると思われる。 []
  3. 訳注;所得(income),インフレーション(inflation), 格差(inequality)の3つに加えて、利子(interest)を加えているのか、incomeを2回繰り返していることを指しているのかは不明。 []

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