経済学101は主に皆様の寄付によって賄われています。温かい支援をお待ちしています

フランシス・ウーリー「ビール品質格差指数」(2015年7月19日)

Frances Woolley, “The Beer IneQuality Index”(Worthwhile Canadian Initiative, July 19, 2015)

よくありがちなカナダ人のアメリカ産ビールに対する意見は、水っぽくてアルコールが弱いというものだ。しかしアメリカのビール醸造所は世界最高のビールをも生産している。アメリカ全土の地ビール醸造所の中に見事な品質のものが出てくるのだ。

アメリカについて驚愕するべきことは、国内の格差、もっと正確にいうと、ビールの品質の不均等さのレベルである。ドイツやベルギーといった国々、そしてスカンジナビア諸国も一般に、ビールの品質についてはそこまでばらつきはない。 [Read more…]

スティーブン・ヘイル「解説:MMT(現代金融理論)とは何か」(2017年1月31日)

Steven Hail, “Explainer: what is modern monetary theory” (The Conversation, 31 January 2017)1

 

オーストラリア・アデレード大学経済学部講師
スティーブン・ヘイル

 

政府支出削減を求めるという困難な選択をするときに、俗に言う『予算ブラックホール』について心配しない経済学の学派がある。バーニー・サンダーズ氏のチーフ経済アドバイザーであったステファニー・ケルトン教授のようなMMT(現代金融理論。以下、MMT)提唱者は、オーストラリア政府は予算を均衡する必要はなく、経済を安定させる必要があると主張する。そして、彼らの主張は(今までの経済学のものとは)まったく違うものだと言う。

MMTとは、1990年代にオーストラリアのビル・ミッチェル教授和訳)とともに米国アカデミアのランドル・レイ教授、ステファニー・ケルトン教授および投資銀行家でファンドマネージャであるウォーレン・モズラー氏により経済運営の手法として開発され、ハイマン・ミンスキー、ワイン・ゴッドリー、アバ・ラーナーといった先駆的経済学者のアイディアをもとに築かれた理論だ。著名経済学者ジョン・M・ケインズの研究についてのミンスキーたちの解釈は、 1980年代には支配的になったものとは非常に異なっている。 [Read more…]

  1. 本稿は著者に特別許可を得て投稿しています。 []

ジョン・コクラン「累進型消費税」(2017年4月26日)

John Cochrane, “A progressive VAT” (The Grumpy Economist, April 26, 2017)

VAT(ここでは消費に課税する税のことを指す)以外の税金は無し 所得税、法人税、相続税などなど一切無し- というのは経済学者にとってほぼ理想だ。ではどうやってVATを累進化できるだろう?素晴らしく、あるいはもしかしたらキチガイじみた、アイディアが思い浮かんだ。 [Read more…]

サイモン・レン=ルイス「バーナンキと民主的ヘリマネ」(2016年5月4日)

Simon Wren-Lewis, “Ben Bernanke and Democratic Helicopter Money (Mainly Macro, 4 May 2016)

「責任のある政府は文字通りお金を空から降らしたりはしないが、その事実を持ってフリードンマンの思考実験の理論を探求することを妨げてはならない。フリードマンの思考実験とは、極端に明確な形で、政府がデフレに屈してはならないのはなぜかという理由を示すために考えられたものだからだ。」 [Read more…]

ポール・クルーグマン「政策担当者は正しいことをしたか」(2017年9月22日)

Paul Krugman, Did policymakers get it right? (Video VOX, 22 September 2017)

政策担当者はどの部分で正しい政策を取ったか?この動画では、ポール・クルーグマンが中央銀行は正しい政策を取ったが、間違ったタイミングで緊縮政策が行われたと説明。この動画は2017年9月22日に開催された「金融危機から10年」と題されたカンファレンスで録画されたものです。1    [Read more…]

  1. 訳注:本訳はクルーグマンが実際に話しているものをもとにしており、動画の英語字幕とは必ずしも一致しません。 []

サイモン・レン=ルイス「格差是正か貧困対策か」(2017年4月18日)

Simon Wren-Lewis, “Inequality or poverty (Mainly Macro, 18 April 2017)

トニー・ブレアの有名な言葉にこういうものがある:

人々の収入に開きがあるのを気にかけていないということではない。大金を稼ぐ人々がいるかどうかでもない。それらは私の関心ごとではない。私が気にかけているのは、機会に恵まれず、不遇で、貧しい人々だ。

労働党政府を含めほとんどのひとは、ブレア元首相が格差是正ではなく貧困対策に注力するつもりだと解釈しただろう。格差是正の歴史的トレンドと、その他さまざまなものとともに労働党が推し進めた貧困削減プログラムがそこに与えた影響(そしてこのプログラムが近い将来取り消されるかもしれない可能性)については、リックの素晴らしい議論を参照してもらいたい。 [Read more…]

サイモン・レン=ルイス「医者としての経済学者」(2017年4月6日)

Simon Wren-Lewis, “Economists as Medics” (Mainly Macro, 6 April 2017)

先日、経済学はいろんな点で医学に似ているという私の長年の見解についてツイッターで絡まれた。もちろん経済学は正確には医学のようではない。ダニエル・ハウスマン曰く、経済学は不正確な遊離科学だ。しかしほとんどの医者が何に時間を費やしているか考えてみてほしい。彼らは高度に不確かな環境で問題解決の仕事をしていて、限られたヒントみで先に進まなくてはならない。彼らは一部の問題に対する解決策を持っているが、そうした解決策が信頼できる度合いはさまざまである。 [Read more…]

ジョセフ・ヒース「一線を越えたカナダ保守党」(2015年10月5日)

Joseph Heath, “Conservative Party Moves Beyond the Pale” (In Due Course, 5 October 2015)

現代民主主義政治にとって最も重要な概念のひとつは「妥当な不一致」である。我々のほとんどがある程度まで賛同する道義や価値観でも、それらがぶつかり合うような場合どちらを優先すべきなのかはっきりしないものが多くある。公共の利益は個人の自由より優先されるべきか。社会的平等を進めるためには公益の損失はどこまでなら許容されるのか。これらは現代政治の妥当な不一致の範囲にあると定義される論点の類だ。政党が左右のスペクトルのどこに位置するかが決まる主要な特徴は、これらの問題に異なる解決策を提示するところである。右派は個人の自由を、左派は平等を強調し、中道派は厚生の最大化を焦点にしている。これはそのまま社会における政府の役割についての異なる複数の見解につながっている。 [Read more…]