アレックス・タバロック 「『スクルージ』と『アダム・スミス』」(2011年12月23日)

●Alex Tabarrok, “Scrooge and Adam Smith”(Marginal Revolution, December 23, 2011)


チャールズ・ディケンズの小説『クリスマス・キャロル』に出てくる守銭奴の「スクルージ」(Ebenezer Scrooge)のことは御存知かと思うが、経済学に冷ややかな御仁であればきっと喜ぶに違いないニュースがある。「スクルージ」のモデルとなった商人のエベニーザ・スクロギー(Ebenezer Scroggie)は、あのアダム・スミスと深い関わりがあるというのだ。

スクロギーは、ファイフ州のカーコーディー出身。彼の母親は、18世紀を代表する経済学者であり道徳哲学者であるアダム・スミスの姪にあたる。

ディケンズは、エディンバラで開かれた自分の本の朗読会に参加し、そのついでに近くにある教会(キャノンゲート教会)の墓地に立ち寄ったという。そこにスクロギー氏の墓もあったのだが、その墓に刻まれている文字を見てギョッとしたという。そこには、「エベニーザ・レノックス・スクロギー しみったれた男」(Ebenezer Lennox Scroggie – mean man)と書かれていたというのだ。しかしながら、軽い識字障害を抱えていたディケンズは、墓にある文字を読み間違えてしまった。実際のところは、墓には「しみったれた男」(“mean man”)ではなく、「ミール(粗挽き粉)とともに生きた男」 (“meal man”)と刻まれていたのだ――スクロギー氏は、穀物商を営んでいた――。広く伝えられているところによると、スクロギー氏は、盛り上げ役を買って出るような陽気な人物だったということだ。

もう少し突っ込んだ話は、ティモシー・テイラー(Timothy Taylor)のブログエントリーをご覧になられたい。

Total
0
Shares

コメントを残す

Related Posts