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アレックス・タバロック 「逆カッサンドラ(逆神)がメディアで重宝される理由」(2008年3月25日)

●Alex Tabarrok, “Why Anti-Cassandras Get the Media Attention”(Marginal Revolution, March 25, 2008)


ポール・クルーグマンが嘆いている。金融危機やイラク戦争といったテーマについて、連日のようにメディアで御託を並べている「専門家」の顔を眺めると、揃いも揃って(事の成り行きに関する)予測を外した人物ばかりではないか、と。

イラクの問題については、状況はもっと嘆かわしいことは言うまでもない。壊滅的な損害に見舞われた過去5年の教訓を論じるための討論会にお呼ばれした出席者の顔ぶれを見ると、一人の例外もなく、愚かな所業に喝采を送っていた(=イラク戦争の開戦を支持していた)連中ときているのだ。

クルーグマン以外にも、ブラッド・デロング(Brad DeLong)やディーン・ベイカー(Dean Baker)も同様の不満を述べているが、私も異論はない。ところで、なぜそういう次第になっているのだろうか?

その答えは、メディアが直面しているインセンティブにあると思われる。間違っていたのは「専門家」だけではない。イラク戦争にしろ、(金融危機の引き金を引いた)住宅バブルにしろ、アメリカ国民の大多数が判断を間違えていたのだ。イラク戦争が開戦された当初は、国民は政府の行動を高く支持していたし、住宅価格が急速な勢いで高騰を続ける中でも、住宅の買い手が途切れることはなかった。さて、当初の判断が間違いであることが判明した今、国民はどんな意見を聞きたいと思うだろうか?

「自分は間抜けなんかではない。かつての判断は間違ってなどいない」。そういう裏付けを与えてくれる話を聞きたいと思うに違いない。(国民の大多数と同様に)予測を外した「専門家」の他に、誰がそういう話を巧みに語ることができるだろうか?


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